2016/11/20

誤算(真夏の悪夢part10)



●814日(日)
 経過は順調、と思えた。
 
 やはりタバコを吸う時に喉の違和感が気にはなるが、これは薬のせいだと思い気にしないことにする。
 
 この週末に再検査があり、それまでは退院時に処方してもらった抗生薬の服用が必要だ。
 
 アルコールは缶ビール1本に抑え、なるべく消化の良い食べ物を摂取するよう心掛ける。
 
 夏季休暇明けの来週からは、職場に復帰する想定だ。
 
 現場のPMからは
 
 「今は療養に専念し、復帰は様子を見ながら決めればいい」
 
 と言ってくれていたが、現場ではトラブルが発生して夏休み返上で出勤しているメンバーも多いらしい。
 
●815日(月)
 半月ぶりにスポーツジムへ行ったが、思ったより体が動いた。
 
 腹筋、背筋のマシンや、腹を伸ばしたり曲げたりすると違和感はあるものの、退院翌日ということを考えれば、これだけ動ければ良いだろう。
 
 入院前に比べ体重は3キロも落ちていたが、ジムの機械で測ったところ何故か体脂肪が大きく減っていた。
 
 減った3キロの殆どが体脂肪なのだ。
 
 病院でずっと動かなかったから、てっきり脂肪が増えて筋肉が落ちているとばかり思っていただけに、これは不思議なことだった。
 
●816日(火)~817日(水)
 退院後から、タバコを吸う時に感じていた違和感が徐々に酷くなり、遂には喫煙時以外も喉の痛みを覚えるようになり
 
 (どうやら、風邪を引いているらしい)
 
 と、遅まきながらようやく気付いた。
 
 しかしながら、抗生薬を飲んでいるから風邪薬を飲むわけにはいかないかと思い、そのうちに治るだろうと放置する。
 
●818日(木)
 風邪が悪化してしまった ()~ ガーン
 
 前日までは喉の痛みだけだったのが、この日起きてみると鼻水が出るわ、頭痛がするわ、体の節々が痛むわと、風邪の諸症状が一気に表出した。
 
 慌てて病院へ飛んでいき、薬を処方してもらう。
 
 薬局で体温計を買ってきて測ってみると、なんと熱があるではないか。
 
 気になって数時間置きに測ると、大体37前後を推移している。
 
 こんな状態で検査をするわけにはいかん、早く治さねば!
 
●819日(金)
 風邪が一向に良くならず、微熱も続いている。
 
 風邪を引いたのも治りが悪いのも、やはり栄養不足のせいかと思う。
 
 夜に熱を測ったら、遂に37.5まで上がっていた・・・
 
●820日(土)
 最悪の状態で、再検査を迎えた。
 
 結果は、前回「」まで下がった痛みを表す指数(基準値は0.3以下)が「」に上がり、白血球数も基準値(8600以下)内に収まった前回の8000から、13000に跳ね上がっていた。
 
 「退院した時より、悪くなってますよ。
 
 風邪の影響もあると思いますが、抗生薬が効いていないですね・・・薬を代えるので、また来週の土曜に再検査に来てください」
 
 という最悪の結果に。
 
 風邪さえひかなければ、この検査で問題なしの医学的なお墨付きをもらい、めでたく「回復宣言」というところだったが、少なくとも1週間先送りとなってしまった。
 
 しかも風邪の治りが悪いから、なんにせよこの風邪を早く治すことが先決である。
 
 むろん、これまで再三にわたり担当営業から
 
 「その後、具合はどうですか?」
 
 と復帰を心待ちにする問い合わせが来ており、次の週から復帰想定で話をしていただけに、ここで大きく想定が狂った。
 
 とはいえ風邪で炎症が悪化している現状を考えると、再入院だけは避けなければならないから、ここはしっかり療養して風邪を治さねばならない。
 
 (これだけ現場に穴をあけたら、責任を取らなくてはな・・・)
 
 こうして職場から退く決意をし、営業に連絡を入れた。

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