2022/12/16

準決勝(サッカーW杯2022・カタール大会)(6)

〇アルゼンチン3-0クロアチア

準決勝の1試合目は、一方的な結果に終わった。

クロアチアと言えば、決勝トーナメント初戦で日本に勝ち、続く準々決勝では優勝候補と言われたブラジルにも勝ったチームだ。とはいえ振り返ってみれば、どちらも延長120分で決着がつかず、PK戦までもつれ込んだ薄氷の勝利。さらにGSまで遡れば、カナダにだけは「4-1」と快勝したものの、モロッコとベルギーには「0-0」で1勝2分。格下のカナダに勝った以外の2試合は無得点だったように、なんとか守りぬいて勝ちを拾って来た。

 

対するアルゼンチンは、GS緒戦で格下のサウジアラビアにまさかの敗退を喫したものの、その後は立ち直りメキシコとポーランドには「2-0」と余裕の勝利でGS通過。トーナメント初戦では、格下オーストラリアに手こずり、準々決勝ではオランダ戦はPK戦にもつれ込む死闘を演じるなど、どうも強いのか弱いのかよくわからない。

 

このように、イマイチ迫力に欠けて見えたアルゼンチンだけに、PKで立て続けに勝ち上がってきたクロアチアのしぶとさ、勝負強さの前に屈するのではという予感もあった。しかしながら冷静に振り返ってみれば、上に記したように「実は大して強くないが、運良く勝ち上がってきた」クロアチアの化けの皮が、遂にアルゼンチンによって剝がされてしまった。接戦には無類のしぶとさ、しつこさを発揮してきたクロアチアだったが、先制されたこの試合はなすすべなく、見せ場を作れずにあえなく敗れ去った。

 

〇フランス2-0モロッコ

スタジアムを覆うモロッコの大応援団をものともせず、連覇を狙うフランスの強さが際立った。モロッコ選手の個々の技術も高かったが、フランスの高い壁に阻まれた。

 

なにしろ、フランスのスピードと攻撃のド迫力が大会ナンバーワンであることは間違いないとは思っていたが、それに加えて守りも堅い。この試合でも、モロッコが再三良い形でチャンスまでは持っていったが、ペナルティエリア内では鉄壁の守りを見せ、決定的なシュートチャンスを悉く潰してしまった。フランスは、これでも主力選手の何人かを欠いているというから、この層の厚さはまことにバケモノレベルである(黒人選手が多いのは毎度のことだが、あまり言わない方が良いか・・・)

 

 準決勝の2試合を見る限りは、ちょっと力の差を感じてしまった。アルゼンチンもフランスも、準決勝よりは準々決勝の相手(オランダ、イングランド)の方にかなり苦戦した。ドローが悪かったのか、あの準々決勝の手に汗握るゲーム展開に比べ、準決勝の2試合はやや消化不良の感は否めない。

 

 こうして、いよいよW杯は決勝を残すのみ(3位決定戦は、おまけのようなものなので)

 

決勝は

 

アルゼンチン ー フランス

 

という顔合わせだ。

 

名前を見ただけでも血沸き肉躍りそうなカードなのだが、今大会に関しては総合力の高いフランスの優位は動かなそう。特にあの攻撃スピードと破壊力を止めるのは、どのチームであっても至難の業だろう。

 

アルゼンチンとしては個々の打開力に頼るしかないのかもしれないが、メッシももうピーク過ぎているし、フランス相手には厳しい戦いとなるのではないかと見る。

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