準々決勝
〇クロアチア1(4)-(2)1ブラジル●
ブラジルがPK戦の末、クロアチアの粘りに屈して敗退。
「優勝候補本命」と言われていたブラジルだが、今回のチームは得点力が低かった。GSの3試合では、わずか3得点。決勝トーナメント初戦こそ、韓国に前半だけで4得点したのが、この大会で唯一「ブラジルらしい」攻撃といえたか。
確かに、それなりのタレントが揃ってはいるのだろうが、過去のチームと比べれば「小粒」の印象は拭えない。マスゴミがやたらと持ち上げるエースのネイマールも目立った活躍は出来ず。ネイマールは代表での得点だったかが、あのペレと並ぶとか超えたとか盛んに喧伝されてはいた。が、前回大会でも書いた記憶がある通り、W杯しか見ないワタクシからすれば、かつての赫々たる「ブラジル代表のエース」とは比較にならず、遥かに物足りない存在としか映らなかった。
それにしてもクロアチアのしぶとさというか、しつこさはもはや「天下一品」レベルと言える。予選は1勝2分けでグループ2位、そして決勝トーナメント初戦では日本をPK戦で圧倒し、準々決勝もまたPKでの勝利。しかも延長前半でブラジルに先制点を許すという、普通なら諦めムードになるところから延長後半で追いついての勝利だ。おそらくは「PK戦に持っていけば勝てる」といった自信を持っているのではないか?
実際そのくらい、このチームのGKは凄いヤツなのだった。
〇モロッコ1-0ポルトガル●
戦前の下馬評ではポルトガル有利の見方が殆どだったが、結果はモロッコの勝利。これも前回大会で書いた記憶があるが、ポルトガルのエースC・ロナウドが、どうにもW杯ではパッとしない。今回に限っては、既に37歳とピークを越えているから仕方ないのだろうが、アルゼンチンのメッシとともに「百億円以上のバカ高い年俸」をもらっているのにふさわしい働きには到底ほど遠い。
こんな落ち目のロートルに頼っているせいか、ポルトガルというのがどうにも中途半端なチームに見えてしまうのである。
一方、ベルギー、クロアチアを抑えてGSのF組を堂々トップ通過したモロッコの躍進は、今大会注目の的だ。イメージ的にはクロアチアに似たチームカラーで、タフで粘り強く勝負強い。次の相手はフランスだけに勝算は低いとみるのが妥当だろうが、持ち前のタフさでどこまで食らいついていけるか興味が高まる。
〇フランス2-1イングランド●
ここで対戦するのが勿体ないようなカードと思っていたが、期待通りの熱戦となった。
この試合を観ていて強く思ったのは「この両チームこそ、日本代表に最も欠けている点を持っている」という点。それは「牙を剥いてゴールを狙う肉食獣の迫力」だ。さらに攻撃の時ばかりではなく、攻守切替時のスピード感も、また素晴らしい。まさに一瞬も目を離せないスピーディな展開は圧巻で
「これぞワールドサッカー」
というべき質の高い90分の攻防が展開される。
比較するのもまったくおこがましいが、やはりこれに比べて日本代表のなんと「迫力に欠けたつまらないサッカー」だったか、との思いを改めて強く実感してしまった。
最後の勝敗は、やはり決定力の差だったか。流れとしては終始押し気味に進めながら、決定力の精度を欠いたイングランドに対し、フランスの切り返しの速さと決定力の凄みは、やはりどのチームと比べても群を抜く。間違いなく優勝候補の筆頭だ。
〇アルゼンチン2(4)-(3)2オランダ
フランスーイングランド戦と同様「これぞワールドサッカー」の醍醐味を堪能できたのがこのカード。イエローカードが飛び交う荒れたゲームになったとはいえ、戦前の予想通り質の高い攻防が展開された。
後半終了間際までは2-0とアルゼンチンがリード。それまでオランダはシュート僅か1本と苦しい展開だったのが、後半38分に1点を返すと息を吹き返した。ここからオランダの怒涛の波状攻撃が続き、後半56分、アディショナルタイムもまさに終了間際に劇的なシュートで遂に同点。
それにしても、気の毒なのはオランダだ。
スタジアムはアルゼンチンの応援一色。PK戦でオランダ選手が蹴る際は大ブーイングが起こり、外せば大歓声に変わる。このプレッシャーのせいか、オランダ選手は日本と同様に2人連続失敗。逆にアルゼンチンがゴールを決めた時は、気も狂わんばかりの大声援だ。なぜ、これほどまで熱狂できるものかと呆れるばかりだが、将来日本が決勝トーナメントを勝ち進むようになった場合は、これまで経験したことのないこうしたブーイングの嵐とも戦わなければいけないケースも出てくるだろう。
準決勝は
・アルゼンチンークロアチア
・フランスーモロッコ
と決まった。
準々決勝の勝ち上がりを見る限り、フランスの総合力が一頭地を抜いている印象は動かず、これに勝負強さと勢いに乗るモロッコが、どこまで通用するか。
片や、ともにPK戦を勝ち上がってきたアルゼンチンとクロアチアは、あのしぶとさとしつこさ、勝負強さでクロアチアが有利と見た。
となると結局、前回と同じ決勝戦となってしまうのだが。
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