2012/08/03

絶対王者の復活(ロンドン・オリンピックpart3)

このオリンピックで「金最有力」と目されていたのが、体操男子の内村だ。

 

その根拠はといえば「2009年から2011まで世界選手権三連覇中」という、これ以上は考えられないほど輝かしい実績である。もっと解りやすく言うなら、前回オリンピック以来、一度も負けていない無敵の王者と言うべきか。その「前回オリンピック」も「銀メダル」なのだ。

 

この実績を見て、誰が「金」を疑うものか?

ところが、やってみなければわからないのが「勝負の世界」というのものである。いかに「精密なロボットのよう」であっても、生身の人間であるからには「絶対」ということはない、と改めて痛感させられたのが、この数日である。そうは言っても「予選9位」というのは「まさか」かとしか言いようがなかった。

 

これだけでも充分に驚きに値するのたが、さらに団体戦での不振が「絶不調の証明」だった。前回も触れた通り、エースとして大車輪の働きが期待されながら、日本を金に導くどころか、むしろ足を引っ張っていたのが実情だ。繰り返しになるが、最後のあん馬でかつて見たことのないような、あの着地の「不細工なミス」が目に焼きついている。あまりに不細工だったせいか、史上稀に見るお粗末なレフェリーの誤審を招いたのは必然であったが、あわや土壇場でメダルを逃す「立役者」になりかねない醜態である。

 

「世界チャンピオン」たる本人ですら「なんでかわからない」というほどの重症であり、それから何日も経っていないだけに、この個人総合も期待は尻すぼみだった。そんな「針の筵」のような状況の中でこそ、真に「悩める絶対王者」の真価が問われた。実際「絶対王者」の実力を思えば、恐らくは本来の出来には遠い内容だったろう。最も得意とされる床で尻餅をつきかけるなど、またしてもヒヤヒヤさせられたものの、幸運にも有力選手が相次いでミスを犯した結果、念願の「金」に結びつけたのは、やはり「絶対王者の実力」と言うべきかもしれない。

 

目を覆うばかりの低調を極めているのが、男子柔道である。この日も早々に2回戦で破れ、いよいよ「金ゼロ」という「前代未聞の屈辱」が濃厚となった。ここまで日本が獲得した金メダルは、合計で僅か2つだが「銅メダルラッシュ」となった競泳のお蔭で、メダル総数では疑惑のC国と黒人頼みのアメリカに次ぐ3位という健闘ぶりだ。それだけに、なおさら「金」を獲るのが如何に至難かと思わずにはいられない。

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