2012/08/16

サッカーだけじゃない「なでしこ」の活躍(ロンドン・オリンピックpart8)

女子レスリングで「オリンピック三連覇」を達成した2人は別格とはいえ、やはり競技によってメダルの意味は異なる。相対的にメダルをたくさん獲得している競技よりは、過去にメダルを獲ったことがない競技の方に重みを感じるのは当然である。特に今大会は、団体競技でサプライズが続出した。その最たる例が、男子サッカーである。メダルは逃したものの、あの「日本のへボサッカー」の快進撃を誰が予想しえたであろうか?

 

同様に「元々、期待していなかった」女子バレーボールと卓球も「ビッグサプライズ」と言えた。女子バレーボールに関しては、偶然にも前日の男子サッカーが3位決定戦で「多くの日本人が最も嫌いな国(勿論、ワタクシもw)」に敗れた直後だっただけに「江戸の仇を長崎で」というヘンテコな盛り上がりを見せる中、見事にリベンジを果たした。これまで話題性ばかりが先行し、実力が伴ってこなかった女子バレーボールであり、まったくの予想外の収穫と言えるところへ、木村沙織や狩野舞子といった人気の高い「美形選手」の活躍もあり、大いに盛り上がった。過去にも、木村のように期待されながらマスゴミに圧し潰されたのが大山であり、同様に怪我が多く評判倒れに終始したのが栗原といったエースであった。

 

「栗原、大山と比べたら、線が細く小粒なのでは?」と思っていた木村がこれまで大きな怪我もなく、またマスゴミや人気に圧し潰されもせずに、今や栗原以上のエースとして堂々と君臨し、遂に見事な躍進の原動力となったのは、いかにも日本人の喜びそうなストーリーである。が、その蔭には、長年「弱い日本」を支え続けてきた竹下の存在も忘れることはできない。

 

同様に、女子卓球の「銀」は、これまたビッグサプライズである。女子バレーボール同様、これまで人気に実力が伴わなかった、なんともじれったい存在が福原であった。ところが、ここに石川という新エースが、まさに「彗星の如く」に現れ様相が一変した。惜しくもメダルにこそ届かなかったが、シングルスでの石川の目の覚めるような活躍が、その後の「団体銀」への躍進に繋がったのは間違いない。

 

その上、この石川が19歳と若く「美形」と来ている。幼少のころから注目され、重荷を背負わされ続けてきた「おしん」福原には常に悲壮感が漂い「楽しめる要素が少なかった」だけに、石川の伸び伸びとした溌剌としたプレーは、スポーツの魅力を余すところなく伝え、見る者の胸を打った。

 

さらにメダルの掛かった団体戦準決勝では、福原を押し退けてダブルスにも登場するなど「銀」の立役者となる大活躍も目を瞠った。これぞ、まさに日本人の好きな「一生懸命頑張る姿」であり、それを見事に体現したのが石川であった。だが、ここに至るまでには「福原の長年の頑張り」という下地があったことも、律儀な日本人はまたしっかりと覚えているのである。

 

このオリンピックは、女子の活躍が目についた。バレーボールも卓球も「日本人だって、やればできるのだ!」という気にさせたのは、やはり「なでしこ効果」の齎した賜物と言えるだろう。正直を言うなら「銀メダルだって凄い!」と「銀」で満足のコメントに大いにガッカリしたのが本音ではあるが、それでもW杯以来の「なでしこ」の活躍が「女子は凄いが、男子はふがいない・・・」という論調に繋がったのは間違いない。

 

個人総合で「金」に輝いた体操の内村は、実力からすれば種目別と併せて複数の「金」が期待されただけに、正直なところ物足りなさが残った。これは日本選手の中に、内村のライバルとなるような選手がいないことが原因ではなかろうか。田中では明らかに役不足であり、そんな中でも「金」&「銀2」は立派には違いないが。

 

そうした状況下、最後の最後でボクシング・ミドル級の村田選手が「金」を射止めたのは、実に痛快であった。これこそ、48年ぶりの快挙であるとともに「女子は凄いが、男子はふがいない・・・」という停滞感を一気に吹き飛ばすような、実に値千金の爽快な「金メダル」と言える。

 

「僕は才能があってこういう金メダルを取れたわけであって、その上で努力はしましたけど、本当にすごいのは僕を支えてくれる家族であるとか、職場の人たち、日本アマチュアボクシング連盟の方々、何より僕にボクシングを教えてくれた武元先生こそが称えられるべき人間であって、僕はただ少し才能と努力があっただけです」

というコメントが、また素晴らしいではないか。

 

そして最終日。男子マラソンは予想通り「入賞一人」が賞賛されるほど目を覆うばかりの惨敗に終ったが、そのヘッポコマラソンの蔭に隠れるような形で「伏兵」扱いだったレスリングの米満選手が、見事に「金メダル」を獲得した。今や「王国」を築いた女子の前に、すっかり蔭が薄くなった男子レスリングだが、今回はこの「24年ぶりの金」を筆頭に銅が2つ。男女合わせると「金4個」と、日本が獲得した金メダルの半数以上を占めた。

 

ところで、これまで女子バレーの木村や卓球の石川ばかりをエコヒイキしてきたようかったに思うかもしれないが、その実最も感動したのは表彰式まで涙が止まらなかったレスリングの小原であるから、満更「美形」にばかりうつつを抜かしていたわけでではない。

 

柔道の不振は目を覆うばかりだったが、今大会はこれまでのお決まりの競技ではなく、フェンシングやアーチェリーなど色々な競技で日本選手の活躍が目についたのは、大きな収穫と言える。特にフェンシング準決勝土壇場の大逆転劇は、まさに「筋書きのないドラマ」そのものであり、普段は馴染みのない競技にスポットライトを当てた意義は大きい。特に「なんとしても日本にメダルを持って帰る」と言うような大田の気迫が凄まじかった。

 

蛇足として、最近のアホな義務教育のせいか「日の丸、君が代はダサい」などという声を耳にするが、あの白地に赤丸というシンプルで美しいデザインの国旗は二つとない。かつて、イギリスだかフランスの政府が「売ってくれ」と打診してきたと言われる通り、やはり見る目のある人々には高く評価されているのである。

 

「君が代」についても「軍国主義」などとこじつけるのは愚の骨頂で、あのような独創的かつ神秘的な国歌は、世界に二つとない誇らしい傑作と言える。もっとも国旗に関しては、なにかと文句ばかり言っている「某国」に「そんなに日本が嫌なら、サル真似はほどほどにしてデザインを変えればいい」などと、最早言うも面倒なのだがw

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