2018/08/13

主食・副食の摂取量の特徴と変化/農林水産庁Web

重箱、弁当は、重箱はおもにお正月のおせち料理をもりつけるもので、ハレの日には蒔絵や螺鈿をほどこしたものはよいが、普段使いにもするのであれば朱や黒の無地の塗りものが応用して使える。例えば四季折々に趣向をこらして詰める行楽弁当にしたり、来客時のお総菜を盛り付ける器にするなど、その用途が広い。その他には、信玄弁当、ひさご弁当、松花堂弁当、半月弁当、縁高弁当などがある。

 

湯呑み、くみ出しは、日常頻繁に使う茶を飲むための器。磁器ものや土ものなどやや厚手で深めの形で口も広く手におさまりのよいものなどであれば、茶の香りを楽しんだり温度を下げにくくする。まずは自分の気に入ったものを選ぶとよい。

 

茶托は、大きすぎず小さすぎず、茶碗にぴったりおさまるものがよい。普段使いは漆や溜塗り、上物の茶器には真塗りのものと、材質を選んで使用する。

 

箸は、ご飯やお菜をとり口に運ぶための必須の道具である。その種類には、両細(香の物、精進)、止め節(預鉢、強肴)、中節(焼き物、八寸)、利休箸(客箸)など用途に応じたものがある。材質は竹、杉、塗りものなどがある。

箸置きは、箸を置くためのもの。形のおもしろいもの、季節感を取り込んだものを選ぶと食卓を楽しめる。

 

膳は、一人用の料理(飯、汁、菜)をのせて運び、和室の畳や敷物の上に直接置くものであるが、足つきでないお膳(折敷)はテーブルの上に置くことがある。膳には、足つきの膳である箱膳、宗和膳、木具膳や足のついてない折敷などがある。

 

匙は、ご飯や汁を箸を使って直接くちに運ぶ日本の食事文化のなかでは、食具としては平安時代に消えてしまった。明治時代になると、洋食の普及とともに家庭でも匙の使用が広まった。材質は金属製、木製、陶器などがある。チリレンゲとよばれる陶器の匙は、卓袱しっぽく料理とともに日本に伝わった。

 

おわりに

食文化は自然環境と密接な関係があるが、近代化の中でその関係は薄れてきている。年中行事のような民俗もまた近代化の中で急速に変化しているとはいえ、比較的よく古い姿を残している。その意味で行事や祭礼のような民俗にともなう食文化を通して、もてなしの心を見ることは日本の食文化研究に一つの有効な手段であろうと思われる。

 

主食・副食の摂取量の特徴と変化(農林水産庁Web

日本の食事の構成上、量的に最も多かったものは飯である。農村地域などに定着していた飯は、必ずしも米の飯のみを指すものではなく、大麦や雑穀を混合して炊いたものも飯と称した。いずれにしても、飯から必要なエネルギーの大半を摂取していたので、文字通り主食であった。

 

これに対し、汁、煮物、焼き物などの菜(おかず)は副食と称され、主となる飯に副える意味で使われ、量的にもわずかなものであった。さらに漬物は、日常だけでなく本膳料理や懐石料理などの儀礼的な料理にも欠かせないものであり、年間の使用量を計って用意する必要があった。

 

下記は、米・麦など穀類の摂取量と、そのエネルギーを主食とみなして、その摂取量と変化を見たものである。それぞれの調査が異なることや、必ずしも主食のみに使われたとは限らない米、小麦も含まれるものの、時代の大きな流れは見て取れる。

 

穀類(主食と考える)エネルギーと、それが総摂取エネルギーに占める割合を現在の食品成分表の数値を用いて算出した。195160年の調査では、穀類(主食)の占める比率が総摂取エネルギーの70%以上となっており、穀類(主食)に著しく重きをおいた伝統的な食事であったことを示しているが、その後急速に穀類(主食)への依存度は減少した。

 

1970年から80年代は、穀類(主食)の比率が副食に比べてやや多く、バランスのとれた比率であったが、米の摂取量の減少率は小麦の摂取率の増加以上で、2000年には穀類とその他の食品、すなわち主食と副食のエネルギー比率は逆転し、副食からの摂取エネルギーの方が多くなっていると考えることが出来る。

 

なお、2001年度の調査から米の摂取量は、飯及び粥の重量で示すことに変更されたために、そのままの数値では摂取量の変化を追えなくなった。通常米は飯になると、2.22.3倍となるが、粥の水分は様々なので換算は困難である。殆どが飯と考えて換算すると、2006年の米(飯・粥)345gは、米150g程度かそれ以下となり、2000年よりさらに米摂取量が減少したことになる。

 

欧米の食習慣が定着した結果、主食に重きを置いた伝統的な食べ方が変化し、副食に重きを置く形になっていることを示している。

 

類(主食)の摂取量と変化(摂取概量(11日)g

ü  1917年:米380、大麦等120 、穀類エネルギー概量:1,800kcal/75

ü  1951年:米355、小麦等76、穀類エネルギー概量:1,520kcal/72

ü  1960年:米360、小麦等65、穀類エネルギー概量:1,500kcal/71

ü  1975年:米248、小麦等92、穀類エネルギー概量:1,193kcal/54

ü  2000年:米160、小麦等94、穀類エネルギー概量:900kcal/45

ü  2006年:米(飯・粥)345、小麦等96、穀類エネルギー概量:796kcal/42

 

一日に必要なエネルギーをタンパク質、脂質、炭水化物からどのくらいの割合で摂取するかを示したPFCバランスは、現在やや脂質の比率が高い傾向にあり、炭水化物からの摂取が少なくなっている。適正なバランスを保つためには、ある程度主食の比率を高くする必要があろう。また主食を米にし、伝統的な調理法で副食を用意したものは、脂質が比較的少なくPFCバランスが適正値となりやすい。

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