2019/04/22

文殊菩薩(4)

https://buddhism.ne.jp/?_gl=1*thuvo3*_ga*MjI3MDg5ODQ3LjE3MzU0NjE2MDM.*_ga_P6WV2YE2L1*MTczNzI4MDc1My4yLjEuMTczNzI4MDc3Mi40MS4wLjA.

文殊菩薩を祀るお寺

文殊菩薩像は、どこのお寺に祀られているのでしょうか。ここでは、国宝や重要文化財となっている文殊菩薩を祀る寺院を紹介します。

 

文殊菩薩の立体像

日本の三文殊といえば

    奈良県の安倍文殊院(阿倍の文殊)

    京都府の智恩寺(切戸の文殊)

    山形県の大聖寺(亀岡文殊)

となっています。

 

他にも

    奈良県の法隆寺の木造立像、塑像

    奈良県の室生寺の木造立像

    奈良県の海龍王寺の木造立像

    大阪府の孝恩寺の木造立像

    奈良県の興福寺の木造坐像

    京都府の仁和寺の木造坐像

    京都府の大智寺の木造坐像

    奈良県の西大寺の木造騎獅像

    奈良県の宝珠院の木造騎獅像

    奈良県の圓證寺の木造騎獅像

    奈良県の額安寺の木造騎獅像

    福島県の薬王寺の木造騎獅像

    京都府の教王護国寺の木造、聖僧文殊像

    京都府の法金剛院の木造僧形文殊像

    滋賀県の善水寺の木造僧形文殊像

    奈良県の文殊院の木造文殊四脇侍像

    京都府の智恩寺の木造文殊 善財童子優闐王像

    和歌山県の遍明院の木造文殊侍者像

    高知県の竹林寺の木造文殊五使者像

などが有名な文殊菩薩像です。

(木像というのは木で彫った像、塑像とは粘土で作った像です)

 

次は絵画です。

 

    和歌山県の宝寿院の絹本著色図

    奈良県の西大寺の絹本著色図

    滋賀県の延暦寺の絹本著色図

    京都府の高山寺の絹本著色図

    京都府の宝寿院の絹本七髻文殊菩薩図

    京都府の東福寺の絹本釈迦文殊普賢三幅図

    京都府の醍醐寺の絹本文殊渡海図

    大阪府の叡福寺の絹本文殊渡海図

    京都府の南禅寺の絹本墨画聖僧文殊図

    京都府の本法寺の紙本墨画文殊寒山拾得図

このような文殊菩薩の絵画があります。

 

特に、京都府の醍醐寺の絹本文殊渡海図(国宝)は圧巻です。

 

文殊菩薩は、大きな獅子の上に趺坐し、頭には五髻を結び、右手に剣、左手に蓮華を持っています。獅子の前には善財童子が先導し、右の優填王は獅子をひき、左には錫杖を持った仏陀波利、後ろには仙杖を持った最勝老人がしたがっています。そして、全体が雲に乗って大海原を渡るという雄大な構図です。鎌倉時代の傑作として国宝に指定されています。

 

善財童子というのは、『華厳経』の最後の「入法界品」で、文殊菩薩に菩薩道について尋ね、その指南によって旅に出た人です。

 

(「絹本」というのは、絹に描かれているということです。それに対して「紙本しほん」の場合は紙に描かれています)

 

文殊菩薩の特徴─なぜ獅子に乗っているの?

このように文殊菩薩の特徴として、立体像でも絵画でも、獅子に乗っている場合があります。立像や坐像などもありますので、必ず獅子に乗っているというわけでもありませんが、獅子に乗っていれば文殊菩薩と分かります。

ではなぜ、文殊菩薩は獅子に乗っているのでしょうか?

それは、獅子というのは、智慧を表すからです。慈悲を表す象に対して獅子は智慧を表すので、智慧の菩薩である文殊菩薩の乗り物とされているのです。

 

文殊菩薩と普賢菩薩の違い

文殊菩薩は、お釈迦さまの脇侍です。

そして、もう一人のお釈迦さまの脇侍は普賢菩薩です。

ですから釈迦三尊像では、お釈迦さまに加えて文殊菩薩と普賢菩薩が脇侍となっています。

では文殊菩薩と普賢菩薩は、どこが違うのでしょうか。

 

それは、お釈迦さまの智慧を表すのが文殊菩薩で、慈悲を表すのが普賢菩薩ということです。ですから乗り物についても、文殊菩薩は智慧を表す獅子に、普賢菩薩は慈悲を表す象に乗っています。文殊菩薩と普賢菩薩には、そのような違いがあります。

0 件のコメント:

コメントを投稿