※第1楽章の冒頭と同じメロディで始まるが、フィナーレの盛り上がりは圧巻!
薄倖の天才としてロシアではそれなりに有名だったようだが、世界的にその名を知られるようになったのはNAXOSの貢献が大きい。なにしろ、彼が残した2曲のシンフォニーをカップリングしたCDが年間売り上げ第1位になるほどのバカ売れで、それと同時にカリンニコフの名前と作品が広く知られるようになった。それにはテオドレ・クチャル指揮、ウクライナ国立交響楽団による演奏が素晴らしかったことが、大きく貢献している。
今では何種類かのCDが入手できるようになったが、当時は実質的にはクチャル盤が唯一の選択肢だったから、その演奏が作品の魅力を伝え切れないものだったら、今日のカリンニコフの再評価はなかったはずである。とりわけ第1楽章の第2主題は、一度耳にすれば絶対に忘れることのないメロディで、この主題は最終楽章でもう一度引用されるが、その強い印象ゆえに作品全体の統一感を与える核となっている。
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