「ちょっとォ・・・なによ、これは?
結局、あの忍とかいうストーカー娘と出来ちゃったってことなの?」
結局、あの忍とかいうストーカー娘と出来ちゃったってことなの?」
≪美しい女≫は、眉間に皺を寄せた険しい視線をPCからラッキーボーイに移して睨んだ。
「いや・・・そこのところは、あくまで後の創作さ。
そもそもラッキーボーイは、最後まで忍というストーカーの存在には気付かんかったんだからさ・・・それに、忍がいたのは名古屋で、東京に来てからじゃないよ」
そもそもラッキーボーイは、最後まで忍というストーカーの存在には気付かんかったんだからさ・・・それに、忍がいたのは名古屋で、東京に来てからじゃないよ」
「本当かなー。
なんだか疑わしいな・・・」
なんだか疑わしいな・・・」
「どこが・・・」
「『どこが』っても・・・そうね。
だって、ここで忍が登場してくるのが、そもそもおかしくない?
だって、ここで忍が登場してくるのが、そもそもおかしくない?
『ラッキーボーイは、最後まで忍というストーカーの存在には気付かなかった』んでしょ?」
「うむ・・・
じゃあ忍の存在自体が、架空だとしたら・・・?」
「それだと、タコ坊のストーカー動機がなくなっちゃうよ。
それかタコ坊のターゲットは、やっぱラッキーボーイその人で、忍というのはタコ坊かラッキーボーイが産み出した幻だとか・・・?」
それかタコ坊のターゲットは、やっぱラッキーボーイその人で、忍というのはタコ坊かラッキーボーイが産み出した幻だとか・・・?」
「さあね・・・」
「そうそう・・・シリーズ名が『ストーカー』から、途中で『小説ストーカー』に変わったじゃない。
『小説』だから、あの後のは創作ってことじゃん?」
『小説』だから、あの後のは創作ってことじゃん?」
「うむ・・・」
「確か忍という女が登場して来たのも、それからだったし。
それにタコ坊が主役になっている話なんて、本人にインタビューでもしなきゃ、想像でしか書けないわよねー」
それにタコ坊が主役になっている話なんて、本人にインタビューでもしなきゃ、想像でしか書けないわよねー」
≪美しい女≫は、非常に聡明だった。
が、聡明な彼女も勘違いをしていた。
『ストーカー』と『小説ストーカー』の間には、東京編とも言うべき『続ストーカー』シリーズがあったではないか。
あれだって普通なら創作と思うハズであるが、この聡明な女ほど緻密に計算したわけではなく、あくまで「結果的にそうなった」だけであったが。。。
「こういうのは、どこまで事実で、どっから創作かがわからんというところが妙味だし・・・折角の興味を削ぐような詮索はこのくらいにして、美味いもんでも食べに行かんかい?」
「まあ、上手く逃げたわね・・・」
幻のような存在の≪美しい女≫は、それ以上の追及はしなかった(誰?)
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