2017/04/14

最初の哲学者・タレス(1)



 タレス(タレース、古希: Θαλής、希: Thalēs、紀元前624年頃 - 紀元前546年頃)は、ソクラテス以前の哲学者の一人で、西洋哲学において古代ギリシアに現れた記録に残る最古の(自然)哲学者であり、イオニアに発したミレトス学派の始祖である。


 また、ギリシャ七賢人の一人とされる。

 古代ギリシア語の母音の長短を考慮した表記は「タレース」である。

 ソクラテス以前の哲学者の全てがそうであるように、タレス自身が直接書いた著作・記録は残っておらず、古代の著作・記録でタレスに言及したものの断片から、その思想を推察することしかできない。

 彼が「最初の哲学者」と呼ばれる由縁は、それまでは神話的説明がなされていたこの世界の起源について、合理的説明を初めて試みた人という点にある。

 彼は万物の根源(アルケー)を水と考え、存在する全てのものがそれから生成し、それへと消滅していくものだと考えた。

 そして大地は水の上に浮かんでいるとした。

 世界は水からなり、そして水に帰るという説を唱えたのだった。

  貧乏ゆえに哲学は何の役にも立たぬものであると非難されたタレスは、次のオリーブの収穫が豊作であろうことを天文学から知り、まだ冬の間にミレトス(小アジアの西)、キオス(ミレトス沖の島)の全てのオリーブの圧搾機械を借り占めておいた。

 すると、収穫の時期が来た時に多くの人が彼に機械を貸し出すことを要求したので、莫大な利益を得ることになった。

 こうしてタレスは、彼が欲するなら金持ちになることは可能であるが、そのようなことは彼の関心にないことを示した。

 この逸話は、デリバティブ(の一種であるオプション取引)の嚆矢とされる。

  母親が彼にむりやり妻を娶らせようとした時「まだ、その時ではない」と彼は答えた。

 その後、盛りを過ぎてから迫ると「もう、その時ではない」と答えた。

 プラトンが伝える有名な逸話に、夜空を見上げ天文の観察に夢中になるあまり、溝(あるいは穴)に落ちてしまった、というものがある。

 そばにいた女性(若い女性とも老婆とも言われる)に「学者というものは遠い星のことはわかっても、自分の足元のことはわからないのか」と笑われた。

  ある日、彼がロバの背に塩を積んで市場に売りに行く途中、川を渡る時にロバが躓いて転び、塩は川に溶けて流れてしまった。

 翌日も同様に塩を積んで市場へ向かったが、川を渡る時にロバはまた躓いた。

 ロバは川で躓くと荷が軽くなることを覚え、わざと躓いたのだった。

 一計を案じたタレスは、その翌日、ロバの背に海綿を積んで市場へ向かった。

 今度もロバは躓いたが、海綿は水を吸って重くなった。

 それ以後、ロバが躓くことはなくなったという。
 ※Wikipedia引用

 世界を説明する役割を「神話」が担っていた時代は、長く続いた。

 それは仕方ない。

 身の回りの人全てが、その「神話」を強烈に信じ込んでいるのだ。

 そんな中で育てられたら「神話」を疑うという発想すら出てこないだろう。

 そもそも「神話」というのは、我が民族や先祖代々の人間たちが、みな信じてきたことである。

 その「神話」を疑うなんて、民族の歴史、文化を否定する冒涜行為だ。

 それが「嘘でした」なんてことはありえない!

 だから、神話が間違っているはずがない

 だが・・・

 人間は農耕を開発して食料を貯蓄し、段々と豊かになっていく。

 そうすると、民族の人口は一気に膨れ上がり、いつしか他の民族と出会うようになる。

 他の民族と交流することにより、人間は段々おかしなことに気づき始める。

 世の中には、自分たちとはまったく違う神話を持った民族がいて、彼等も自分たち同様に、その神話を「真実」だと信じ込んでいる。

 「彼等は嘘を信じているのか?
 それとも、我等が嘘を信じているのか?

 それとも、両方とも嘘か」


 こうして、初めて人間は、

 「神話は、ただの空想にすぎない・・・」

 と気がつき始めるのだった。

 そして、B.C.600年頃。

 ついに、古代ギリシャのミトレスにおいて、人類史上初の哲学者タレスが現れる。

 まず、哲学者が生まれたミトレスという場所について知る必要がある。

 ミトレスは発達した商業都市で、各地から様々な商品が集められ自由に交換されていた場所だった。

 様々な民族の人間たちが、交易のために集まる街。

 こんな場所に住んでいれば、嫌でも神話の違いを目の当たりにするだろう。

 「おまえらの故郷の神話、黙って聞いてりゃ、みんな言うこと違ってんじゃねえか!

 一体、どれが本物だよ!
 根拠もねえしよ!」

 こうして貿易商人であったタレスは、世界の成り立ちについて自分で考え始めた。

 その結果、彼は

「万物の基は水である」


 と結論付けた。

 「すべての生命は水を含んでおり、水が無くなれば乾いてボロボロになって消えてしまう。
 人間も動物も農作物もみな、水により生きている。
 したがって、万物の根本的な存在は水である」

 と、タレスは考えたのだろう。

 今となっては、幼稚な考えかもしれない。

 が、少なくとも神話から離れ、世界について自らの観察により、自分なりの考察を述べたことは、歴史において重要な第一歩である。

 「山は山であり、馬は馬である」としか捉えていなかった当時の世界観の中で「それらを構成している基本的な要素とは何か?」
 
 「(馬は何から出来ているの?
 リンゴは何から出来ているの?)」

 という問いかけは、まったく画期的な発想だった。

 そのようなことからタレス」の名は、今でも人類史初の哲学者として残った。
※http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/index.html 引用

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