2019/10/31

ヘーラクレース(ギリシャ神話66)

ヘーラクレース (古希: Ηρακλής, Hēraklēs) は、ギリシア神話の英雄。ギリシア神話に登場する、多くの半神半人の英雄の中でも最大の存在である。のちにオリュンポスの神に連なったとされる。ペルセウスの子孫であり、ミュケーナイ王家の血を引く。幼名をアルケイデース(λκείδης, Alkeidēsといい、祖父の名のままアルカイオスλκαος, Alkaios)とも呼ばれていた。後述する12の功業を行う際、ティーリュンスに居住するようになった彼を、デルポイの巫女が「ヘーラーの栄光」を意味するヘーラクレースと呼んでから、そう名乗るようになった。キュノサルゲス等、古代ギリシア各地で神として祀られ、古代ローマに於いても盛んに信仰された。その象徴は弓矢、棍棒、鎌、獅子の毛皮である。

ローマ神話(ラテン語)名は Hercules (ヘルクーレス)で、星座名のヘルクレス座は、ここから来ている。英語名はギリシア神話ではHeracles(ヘラクリーズ)、ローマ神話と近代以降の英語圏ではHercules 「ハーキュリーズ」 と発音される。イタリア語名はギリシア神話ではEracle(エーラクレ)、ローマ神話では Ercole(エールコレ)。フランス語名はギリシア神話では Héraclès (エラクレス)、ローマ神話では Hercule (エルキュール)という。日本語では、長母音を省略してヘラクレスとも表記される。

生い立ち
ヘーラクレースは、ゼウスとアルクメーネー(ペルセウスの孫に当たる)の子。アルクメーネーを見初めたゼウスは様々に言い寄ったが、アルクメーネーはアムピトリュオーンとの結婚の約束を守り、決してなびかなかった。そこで、ゼウスはアムピトリュオーンが戦いに出かけて不在のおり、アムピトリュオーンの姿をとって遠征から帰ったように見せかけ、ようやく思いを遂げ1夜を3倍にして楽しんだ。アルクメーネーは次の日に本当の夫を迎え、神の子ヘーラクレースと人の子イーピクレースの双子の母となった。

アルクメーネーが産気づいたとき、ゼウスは「今日生まれる最初のペルセウスの子孫が全アルゴスの支配者となる」と宣言した。それを知ったゼウスの妻ヘーラーは、出産を司る女神エイレイテュイアを遣わして双子の誕生を遅らせ、もう一人のペルセウスの子孫でまだ7か月のエウリュステウスを先に世に出した。こうしてヘーラクレースは、誕生以前からヘーラーの憎しみを買うことになった。

ヘーラクレースの誕生後、ゼウスはヘーラクレースに不死の力を与えようとして、眠っているヘーラーの乳を吸わせた。ヘーラクレースが乳を吸う力が強く、痛みに目覚めたヘーラーは赤ん坊を突き放した。このとき飛び散った乳が、天の川(galaxyは「乳のサイクル」、Milky Wayは「乳の道」)になったという。これを恨んだヘーラーは、密かに二匹の蛇を双子が寝ている揺り籠に放ったが、赤ん坊のヘーラクレースは素手でこれを絞め殺した。

成長と狂気
ヘーラクレースは、アムピトリュオンから戦車の扱いを、アウトリュコスからレスリングを、エウリュトスから弓術、カストルから武器の扱いを、リノスから竪琴の扱いを学んだ。しかしリノスに殴られた際、ヘーラクレースは激怒し、リノスを竪琴で殴り殺してしまう。そしてケンタウロス族のケイローンに武術を師事して、剛勇無双となった。キタイロン山のライオンを退治し、以後ライオンの頭と皮を兜・鎧のように身につけて戦うようになる。

ヘーラクレースは、義父アムピトリュオンが属するテーバイを助けてオルコメノスの軍と戦い、これを倒した。クレオーン王は娘メガラーを妻としてヘーラクレースに与え、二人の間には3人の子供が生まれた。しかし、ヘーラーがヘーラクレースに狂気を吹き込み、ヘーラクレースは我が子とイーピクレースの子を炎に投げ込んで殺してしまった。

正気に戻ったヘーラクレースは、罪を償うためにデルポイに赴き、アポローンの神託を伺った。神託は「ミュケーナイ王エウリュステウスに仕え、10の勤めを果たせ」というものだった。ヘーラクレースはこれに従い、本来なら自分がなっているはずのミュケーナイ王に仕えることになった。「ヘラクレスの選択」といえば、敢えて苦難の道を歩んでいくことをいう。
出典 Wikipedia

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