2006/01/25

プッチーニ オペラ『マノン・レスコー』Act III

 


原作の同名小説はアベ・プレヴォー「ある貴族の回想録」(全7巻)のうちに含まれるもので、当時広く読まれていた。

 

「椿姫」の中でも、ヒロインのマルグリットがこの本を読む場面があり、多くの人に知られた物語であった。そのため、プッチーニ以前にフランスの作曲家マスネによって「マノン」としてオペラ化され、成功を収めていた。

 

プッチーニはマスネの「マノン」との違いを出すため、ヒロインの性格に重点を置いた「マノン」に対し、物語性を重視する筋立てとし「マノン」では割愛されていた「植民地ルイジアナ篇」を新たに第4幕として加え、そこでの悲劇的末路を最大の見せ場に仕立て上げた。

 

プッチ-ニ自身が満足いくまで、台本作りに何人もの手を煩わせたため完成まで3年余りを要したが、仕上がった作品は全編に美しい音楽が満ち溢れ、プッチ-ニ自身が「私の最大の音楽的傑作」と呼んだ程で、3作目にしてヴェルディに続くイタリア・オペラの新星たらしめることになる。小説では「千度も気の変わる、わがままなマノン」とされているが、オペラではその享楽的性格が若干抑えられ、プッチ-ニ好みの可憐な女性として描かれている。

 

マノンとデ・グリュ-の「青春の夢と挫折」を綴る音楽は、むせ返るような情熱に満ち、鮮やかな感情表現ときめ細かな人物描写は、後の名作を彷彿とさせるようである。  「何とすばらしい美人」、「柔らかなレ-スに包まれても」、「独り寂しく見捨てられて」等のアリアは、特に有名だ。

出典https://www.wikiwand.com/

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