2006/01/01

ドビュッシー 管弦楽のための『映像』Ⅲ.春のロンド(rondes de printemps)

 


美術の世界での印象主義に関しては、1872年にモネが発表した『印象・日の出』に由来する言葉であるが、そもそもは1850年頃にその端を発している。しかし、モネの作品が発表された頃には既にターナーはこの世を去っており、この点に於いてドビュッシーの主張は正しい。ドビュッシーはターナーの絵画を好み、その光と影の世界観を音によって表現したいと考えており、既に1900年には最初の管弦楽曲である《夜想曲》をターナーからインスパイアされた、と自ら述べている。

 

3曲の《春のロンド》の初演は1910年、コンセール・デュランでドビュッシー自身の指揮で行われた。管弦楽のための『映像』の各曲の作曲時期、楽器編成は異なり、組曲の体裁はとられているが各曲は半ば独立した作品と見ることができる。

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