第一幕 ドイツの農村。ぶどうの収穫の時期。
この村に母親と二人で住む美しいジゼルは、向かいの家に住んでいるロイスを愛している。しかし、このロイスは実はシレジアの公爵アルブレヒトであり、戯れに村人になりすましているのである。
ある日、アルブレヒトは身分をあらわす剣やマントを従者に隠させて、ジゼルと会う準備をしている。それを森番のヒラリオンは目撃し、何事かと疑いを抱く。ヒラリオンはジゼルを愛しており、ロイス(アルブレヒト)のことが気になるのだ。
アルブレヒトの訪れに応えて家の外に出てきたジゼルは、愛を囁き合いながら楽しそうに踊る。村人たちも、賑やかに繰り出す。しかしジゼルの母は、ジゼルを心配そうに見つめる。ジゼルは心臓が弱く、激しい動きは命に関わるからである。
そこへ、狩りの角笛が響き渡る。クールラント公と娘バチルドが、ジゼルの住む農村に休憩に立ち寄る。貴族の一行は、ジゼルの家の前でミルクと果物を振舞われる。ジゼルはバチルドの豪華な衣装に惹かれ、つい触ってしまう。ジゼルのつつましやかな態度を好もしく思ったバチルドは、ジゼルを招きよせる。
0 件のコメント:
コメントを投稿