2006/11/11

日本書紀に見る「葛城」の由来


<『日本書紀』では神武天皇が即位以前の己未の年、大和国で恭順に及ばなかった波哆丘岬の新城戸畔(にいきとべ)和珥坂下の居勢祝(こせはふり)臍見長柄丘岬の猪祝(いはふり)という三箇所の土蜘蛛をそれぞれ討ち取らせた。また高尾張邑にいた土蜘蛛を葛(かずら)を編んで作った網を使って討っており、そのことに因んで地名を葛城(かつらぎ)と改めた、と記している。高尾張邑にいた土蜘蛛については、体が侏儒のように小さく手足は長かったと描写されている。
出典Wikipedia

葛城(かつらぎ、かづらき)は、奈良盆地の南西部を指す地域の名称。上代からの地名であるが、明確な範囲や境界を示すことは難しく、北の大和国(奈良市近辺)から西端の和歌山市友ケ島までの範囲に「葛木」という漢字をあてる文献も多数あり、古くからの山岳信仰から生まれた名称の色合いも強い。

神武天皇が、葛で編んだ網で土蜘蛛を捕らえたためと伝えられる

古墳時代でも有数の豪族であった葛城氏の勢力圏であったと考えられている。飛鳥時代の前半あたりには葛城県が、その後は葛城国が置かれたようである。

『延喜式神名帳』には、大和国忍海郡に葛木坐火雷神社二座と、これに合祀された為志神社を載せていることから、大和国が置かれた際の葛上郡・葛下郡・忍海郡のあたりが元の葛城国(葛城県)の範囲と推定できる。現在の行政区分に照らし合わせると御所市・大和高田市・香芝市・葛城市・北葛城郡の一部もしくは、和歌山市友ケ島までの和泉葛城山脈全域が想定される。江戸時代の初め頃までは、この地が高天原であるとも考えられていた
出典Wikipedia

<葛城山にまつわる歴史は古く『日本書記』には「葛城」の名前の由来まで書かれています。神武天皇の頃、高尾張邑に土蜘蛛がいて、天皇軍はそれを捕らえるために葛のツタを使った、そのためその邑を葛城という>

しかし実際の調査や遺跡によると、葛城全体が未踏の地ではありませんでした。当時、奈良県北部(奈良盆地)の1/4を占める勢力として、葛城氏がいました。ご存知『白鳥異伝』の宮戸彦、加解姫のモデルとなったのがこの氏族。   『白鳥異伝』ではあまり書かれていませんでしたが、近年の調査により大変広大な勢力を持つ氏族だった事がわかっています。巨大な古墳、祭祀跡、住居跡、工房跡・・・西暦3世紀から6世紀頃まで、葛城氏がこの葛城山の麓で生活していた痕跡は、到るところで見つかっています>

 <葛城山山頂から見た奈良盆地からは、大和の国が一望できる。中央に大和三山(香具山、畝傍山、耳成山)、奥に三輪山。『白鳥異伝』の頃の「まほろば」があるのは、左端の山の麓付近。大阪と奈良の県境にまたがる葛城山の麓で暮らす葛城氏の勢力下には、奈良盆地から大阪湾へと繋がっている大和川も含まれていました。

渡来系の工人(アクセサリーや工芸品などを作ったりする人々)を従え、葛城氏は次第に勢力を増していきます。まだまだ、大和朝廷(まほろば・大王サイド)が確固たる勢力を確立していなかった時代、お隣の氏族が持つ水運と広大な土地は脅威だったのでしょう。それゆえ次第に勢力を殺がれ、葛城氏は衰退していきます。しかし葛城氏が滅亡した後も、大和朝廷内にはその血が受け継がれました>

ポリネシア語による解釈
出典 http://www.iris.dti.ne.jp/~muken/
葛上(かつらぎのかみ)郡・忍海(おしのみ)郡・葛下(かつらぎのしも)郡。この三郡は大和川の南、金剛山地の北、葛城山脈の東麓の地帯で、葛下郡はおおむね現北葛城郡王寺町、上牧町、當麻町、香芝市、大和高田市の地域、忍海郡は現北葛城郡新庄町の中心の辺り(近鉄御所線の忍海(おしみ)駅があり、忍海の地名が残っています)

葛上郡は、おおむね御所市の地域で三郡の北は大和川、東は広瀬郡、高市郡、吉野郡、南は宇智郡、西は河内国に接しています。『和名抄』は「加豆良支乃加美」、「於之乃美」、「加豆良支乃之毛」と訓じています。

『日本書紀』神武即位前紀己未年2月条に、高尾張邑の土蜘蛛を「皇軍、葛の網を結(す)きて、掩襲(おそ)い殺しつ。因りて改めて其の邑を號けて葛城(かづらき)と曰ふ」とあります。

この「かづらき」は
(1)
「葛の生えたところ」の意
(2)
「カヅ(カテ、カツラ。崖地、急傾斜地)・ラ、キ(場所を示す接尾語)」の意
とする説があります。

この「かづらき」は、マオリ語の「カツア・ラ(ン)ギ」、KATUA-RANGI(katua=stockade,main portion of anything;rangi=sky,heaven,tower or elevated platform used for purposes of attack or defence of a stockade)、「空にそびえる砦(のような地域。そこにある山)」の転訛と解します。

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