2007/03/06

ヴュータン ヴァイオリン協奏曲第4番(第1楽章)

 


アンリ・フランソワ・ジョゼフ・ヴュータン(Henri François Joseph Vieuxtemps, 1820217 - 188116日)は、フランスで活躍したベルギー人のヴァイオリニスト兼作曲家である。

 

織匠とヴァイオリン職工の家系に生まれる。音楽を愛好する家庭環境のもとに、アマチュアの父親と地元の音楽家からヴァイオリンの手ほどきを受け、6歳でピエール・ロードの作品を弾いて公開デビューを果たした。まもなく周辺の都市でも演奏するようになり、ブリュッセルでシャルル・ド・ベリオの知遇を得て師事するようになる。

 

1829年にベリオに連れられてパリに向かい、この地でもロードの協奏曲を演奏して、大成功のうちにデビューをおさめた。だが翌年には七月革命が勃発した上、師のド・ベリオがマリーア・マリブランとイタリアに駆け落ちしたため、単身ブリュッセルに戻って演奏旅行に備えなければならなかった。

 

その後は、自力でヴァイオリンの演奏技巧に磨きをかける。1833年のドイツ楽旅では、ルイ・シュポーアやシューマンとも親交を結び、シューマンからは「小さなパガニーニ」になぞらえられた。それから10年間はヨーロッパ各地を歴訪しては、聴衆ばかりかベルリオーズやパガニーニのような大音楽家さえも超絶技巧によって圧倒した。

 

その傍ら、作曲家への憧れから、1835年の冬からウィーン音楽院に留学してジーモン・ゼヒターに音楽理論と対位法を、翌1836年からはパリでアントニーン・レイハ(アントワーヌ・ライヒャ)に作曲を師事。最初のヴァイオリン協奏曲(後にヴァイオリン協奏曲 第2として出版)は、この頃の習作である。

0 件のコメント:

コメントを投稿