2018/07/05

決勝トーナメント(ワールドカップサッカー2018)

■アルゼンチンvsフランス(4-3)

 決勝トーナメントの幕開けと同時に、いきなり激しい点取り合戦となった古豪対決は「4-3」という予想外の展開でフランスが勝利。

 ワールドカップだけしか観ず、普段のクラブサッカーは観ないワタクシには、相変わらず「メッシの凄さ」とやらがサッパリわからん

 過去の大会でも散々述べてきたように、ワールドカップという最高の檜舞台で殆ど目立った活躍をしていないのに「スーパースター」と称されるのがメッシばかりか、あの「マラドーナを超えたなどという声まで聞かれる。が、ワールドカップが「世界最高の祭典」であるなら、いかにクラブサッカーで活躍しようが「この檜舞台でロクな活躍もできない選手は、断じてスーパースターの名に値せず」というのが、ワタクシの持論である。そこが、ワールドカップ史に残る衝撃的な大活躍を演じたマラドーナとは圧倒的に違う。

 全盛期の、あの伝説の「80mドリブル」や「神の手」は言うに及ばず、90分通して満足に走れなくなった晩年になっても、ここぞという場面での絶妙のスルーパス1本でゲームを決めてしまう決定力。居るか居ないのかすらわからないようなメッシなんぞとは、まるでカリスマ性が違う

 予想通り、今大会もまったく目立たなかったメッシを尻目に、19歳の若者が躍動したのは皮肉な対比だった。この彗星の如くに表れた若者を中心とした、フランスのスピードと破壊力は前回大会優勝のドイツを彷彿とさせる。ドイツとは違い、相変わらず黒人選手頼みのフランスとは言え、それでも「優勝候補」に挙げないわけにはいかないか。

■ウルグアイvsポルトガル(2-1)

 メッシとともに注目を集めたC.ロナウドも、やはり期待外れに終わった。グループリーグ初戦のスペイン戦こそハットトリックで、これ以上ないスタートを切りながらも徐々にじり貧となった挙句、肝心要のトーナメント初戦は見せ場なく敗退。ボール支配率の高いポルトガルが一見優勢に見えながら、ウルグアイ特有のしたたかさに上手くあしらわれたゲーム展開だ。
 とはいえ決勝トーナメント初日早々、2試合ともにハイレベルなせめぎ合いとなり、見ごたえは十分であった。

■スペインvsロシア(1-1、PK4-3

 優勝候補の一角に挙げられていたスペインがPK戦の末に敗退。毎回のようにV候補とされながらずっこけるのが「伝統」のスペインらしく、今回もまた伏兵に足を救われた。持ち味の「華麗なサッカー」はまったく蔭を潜め、なにをしたいのかわからない呆気ない敗退といえる。堅実イメージのドイツとは違い「評判倒れ」では数多の前科があるだけに、いまさら驚きもしなかったが、よもやロシア如きにやられるとは。

■クロアチアvsデンマーク(1-1、PK3-2

 「グループリーグ3連勝のクロアチア強さは本物か?」を図るには手ごろな相手。結果はPK決着までもつれ込みながらやっとこさの勝利と、グループリーグとは大違いの苦戦を強いられたクロアチア。グループリーグでは思い切ったプレーが出来ても、一発勝負の決勝トーナメントでは、そうは問屋が卸さずという難しさを物語る典型か。

■ブラジルvsメキシコ(2-0)

 毎回、決勝トーナメントまでは進むものの、どうにもベスト8の壁が破れないメキシコ。今大会は、初戦で2連覇を目指すドイツ相手に会心の試合を演じ「いつもとは違う」とかなりの期待を感じさせたものの、終わってみればいつも通りのベスト16止まりだった。

一方、優勝候補と言われながらも、グループリーグは「消化不良」の感が否めなかったブラジルは、徐々に調子を上げて来た。それにしても、こっち(左側)の山には、まだまだフランス、ベルギー、ウルグアイと競合が犇めいており、組み合わせのバランスの悪さが恨めしい。

■ベルギーvs日本(3-2)

 優勝候補の一角に挙げられていたベルギーだけに、まず日本に勝ち目はないというのが順当な見方だったが、あのK国がドイツに勝ったことを思えば、それよりは希望が持てることは間違いない。とは思いつつ平日深夜3時キックオフは眠気に勝てず、他の同時間枠の試合同様にキックオフ前に寝てしまった。ということで結果を見て書いているだけだが、それでも「2-3」という結果だけでも、驚くには十分だ。

 長年、宿痾のような「決定力不足」に泣き続けた日本が、強豪ベルギーから2点を捥ぎ取ったばかりか、ここまでの接戦を演じたのは驚きだ。しかも一時は「2-0」とリードするなどとは、誰が予想しえたか?
とはいえ、後半20分過ぎまで2点リードしながら終了間際に大逆転を許すという、最後まで予想外の展開。これを受けて、一旦は地に堕ちたかに見えた「日本株」は急上昇し、マスゴミはこぞって絶賛の嵐となった。

出ることだけ」が目標で、世界とは格段のレベル差があった20年くらい前に比べれば、世界のトップレベルに近づいてきたのは確かだ。そしてこれだけ短期間に、ここまでの進歩は予想外とも言えるし、そこは称賛されてもよい。それでも「勝負」の世界において、敗者を絶賛すべきではない

 さて、日本にここまで苦戦したベルギーは、ブラジル相手にどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。

■スウェーデンvsスイス(1-0)

 「攻撃力はあまりないが、守りは堅い」という似た者対決は、スウェーデンが制した。後半を観ただけでいうのもなんだが、イマイチ面白みのないゲームだ。

■コロンビアvsイングランド(1-1、PK4-3

 決勝トーナメントの掉尾を飾るこのカードは是非見ておきたかったが、深夜3時キックオフに負けて見逃してしまった。

 結果は「1-1」で、イングランドのPK勝利。日本に負けたことでも明らかなように、グループリーグ1位通過とはいえ、それほど強いとは思えなかったコロンビアだけに、最後は伝統の力に屈したというところか。

 この結果、8強が出そろったわけだが、強豪がそろった左側の山から優勝国が出るのでは・・・ここまでを見る限りブラジル、フランス辺りと予想する。

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