■準決勝
■フランスvsベルギー(1-0)
トーナメント表の左右の山を見ると、ウルグアイ(1)フランス(1)、アルゼンチン(2)、ブラジル(5)といった優勝経験国(優勝回数)を始め、ポルトガル、ベルギーと錚々たる顔ぶれがそろった「左の山」。対する「右の山」の方は、優勝経験国がそれぞれ1回のスペインとイングランドのみで、残りはベスト8でもあまりお目にかかれないような「サッカー新興国家」が目につくように、非常にアンバランスに偏ってしまった。
準々決勝の「フランスvsアルゼンチン」、「ブラジルvsベルギー」も、先まで取っておきたくなるような惜しいカードだったが、その南米の両横綱を倒し堂々勝ち上がってきたのが、この両チームだ。準決勝のもう1試合をカードから観て、これが「事実上の決勝戦」と言っても過言ではない。
日本戦やブラジル戦で見せた、あの高さとパワーを誇る「史上最強」のベルギーが、老獪で穴が少ないフランスの牙城を崩せるかがポイント。試合開始が深夜3時ということもあって、気にはなりながらも結局見逃してしまった。あのベルギーが完封されてしまうとは意外だったが、フランスが底力を見せつけたというところか。
■クロアチアvsイングランド(2-1)
落ちぶれたとはいえ「サッカーの母国」として優勝経験もあるイングランドに対し、これまでベスト4が最高のクロアチアでは、ネームバリューだけなら勝負にならない。おまけにクロアチアはトーナメントでは2試合続けて「PK戦でなんとか勝ちを拾って来た」通り、組み合わせに恵まれながら、大したことない相手に、やっとこさ勝ち上がってきた印象が強い。
対するイングランドは前評判こそパッとしなかったものの、大会に入って勢いに乗って来て、準々決勝のスウェーデンには完勝していただけに、イングランド優位と思われた。この試合も深夜3時開始だから見逃したものの、結果はクロアチアが勝利し、遂に初の決勝進出を決めた。
■決勝
■フランスvsクロアチア(4-2)
明らかに実力が違うだけに、一方的な展開にならないことだけを念じながら観戦。
まずはクロアチアのオウンゴールで、フランスが先制した。クロアチアが先行する展開にならないと面白くないのに、オウンゴールで得点をやっているようでは話にならん・・・と早くもTVを消しかけたが、クロアチアの流れるようなサッカーが素晴らしく、10分後に同点に追いつく。
その後も、しばらくはクロアチアのペースでゲームが進み
(これは、ひょっとすると・・・)
と期待を持たせる展開となった。
ところが、さらに10分後のセットプレーで、ゴール前で痛恨のハンドがあってPK・・・ここまで非常にいいサッカーをしていたクロアチアだけに、この2つの致命的なミスが惜しまれてならない(もっとも、誰かが言っていたように、決勝でのあの判定は、あまりに「空気読めない」と批難轟々もわかる気がするが)
華麗なパス回しなど、クロアチアの高度なサッカーは日本がお手本に出来るものだが、それを粉砕するフランスの驚異的なスピードとパワーは、日本には到底真似ができない。もっとも「フランス代表」というよりは「アフリカのどこかの代表国?」に見えてしまうのは、まあいつものことだが。
■大会総括
今大会の得点王となった、イングランドのハリー・ケインについて「W杯史上最低の得点王」という酷い非難が出て来た。
その理由はグループリーグの最初の2試合で5ゴール、しかも相手は「格下のチュニジアとパナマ相手に稼いだ5得点」だ。その後は決勝トーナメント1回戦のコロンビア戦でPKによる1点を加えたのみで、準々決勝以降の3試合は無得点に終わった。さらに得点の内容も、6得点中3得点がPK。2点はCKから押し込んだもので、オープンプレーからの得点は1点のみ。その1点も、味方のシュートがケインの足に当たってコースを変えるという「偶然のゴール」だった。
これに象徴されるように、今大会自体が「史上最低のW杯」とまでは言わないが、多くの予想で「優勝候補」に挙げられた「ドイツのまさかの予選敗退」や「世界最強リーグ」を抱えながら、毎度のこととはいえ伏兵ロシアに足元を掬われた」を演じたスペインなどの醜態せいで、全体的に低調で盛り上がりに欠けた大会だったと言わざるを得ない。
その結果が、たいして強いとも思えなかったクロアチアが決勝進出したものの「アフリカ代表」のような相も変らぬ植民地主義フランスの優勝という最低の結果を見ると、もしかして「史上最低のW杯」だったのかも。
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