2022/02/18

「強く速く美しい」オリンピックのドラマ(北京冬季オリンピックpart8)

高木(妹)が、5種目目にしてついに頂点に立った。

 

「金」が最有力視された2種目目の1500メートルこそ、僅差の「悔しい銀」に終わったが、ここから「怒涛の快進撃」が始まった。

 

かつての誰かさん(あえて誰とは言わないがw)のように、単に多くの種目にエントリーしているだけではない、高木(妹)の凄さは「エントリー5種目のどれもがメダル圏内」という、(ドイツ人やアメリカ人などには、時折見られるが)日本人としは稀にみる規格外の天才なのである。

 

姉とともに出場した翌日の500メートルは「0.08秒」という僅差で、これまた惜しくも「銀」。

 

姉の

 

「この種目で妹に金を獲ってほしかった」

 

の発言からも、この種目こそ「本命」だったことは窺えるだけに、普通であればこれで「」の夢は潰えたかと考えるところ。

 

しかしながら、高木(妹)のチャレンジはまだ続く。

 

団体追い抜き。

こちらは、ゴール直前でほぼ手中にしていた「」を逃すという、これ以上ない悲劇的な展開で悔し涙を呑んだ。

 

もちろん、ここまでの「銀3」だけでもまことにずば抜けてはいるが、これだけ「あと一歩」で金を逃すという展開が続いたのに加え、直前では姉の悲運にも見舞われるという過酷な状況だ。常人であればモチベーションの維持も大変だろうが、ここまで痺れるような状況の中にあっても、最終レースで強靭なメンタルを発揮したのはまことに驚異的だった。

 

これが5種目目というのに「一体どこに、そんな体力が残っていたんだ?」という、恐らくは稀代の天才が死力を尽くしたというような会心の滑りを見せ、オリンピック記録を叩き出して、遂に待望の「」をゲットしてしまった!

 

前回は「金・銀・銅」、今回は「金1、銀3」と、これで7個目のメダルという超人ぶりだが、意外なことに個人種目での「」は、これが初めて。ここまで僅差で金を逃したり、団体戦での思わぬ逆転負けなど、これだけ不運に見舞われ続けるのも前例がないという感が強かったが、そのご褒美というにはささやかながら、最後にドラマティックなフィナーレが用意されていた。

 

この逸材にとっては、おそらく「」でも満足とはいかないのだろう。

出場する全種目で、常に「最高の結果」を求められる逸材に相応しく、常にストイックな姿勢を崩さない高木(妹)が、珍しく心底からの喜びの笑顔を爆発させたのを観るに

 

うん、これが観たかったんだよな・・・

 

などと、勝手に納得してしまった。

 

レース後のインタビューでは苦し気に咳き込む姿が目に付いた高木(妹)

これだけの天才でありながらも(だからこそというべきかも)、想像を絶する過酷なトレーニングを積んできたことが窺える。

 

当然ながら、まだ十分に「次」も狙えそうな年齢だけに、このパフォーマンスを目にしては皆の期待が否が応にも高まらざるを得ないが、日本の「至宝」として体だけは大切にしてもらいたい。

※ハイエナのようなマスゴミに持て囃されて、稀代の才能を潰されないことを切に念じたい。

 

フィギュアスケート/女子

SPではロシア勢の一角を崩し、3位に着けた坂本。ドーピング騒動の余波を受け、さらには最終組で「渦中の」ロシア勢に囲まれるという想像を絶するプレッシャーを余儀なくされる中、フリーでも己を見失わずに最高のパフォーマンスを演じきって3位を死守し、笑顔が満開に弾けた。

一方、ドーピング疑惑のワリエワは、圧倒的な差をつけた頂点から、まさかの4位に凋落。

 

ノルディック複合/団体

かつて日本の「お家芸」と言われたこの種目。当時は得意のジャンプで強敵のノルウェーなどに大差をつけ、弱点のクロスカントリーでなんとか逃げ切るという展開で、堂々オリンピック連覇を達成したこともあった。

 

この日本勢の躍進に対し、狡猾な国際社会が即座に策動する。ジャンプの点数を低くし、欧米勢が得意とするクロスカントリーの比重を高くするという、まことに臆面もないご都合主義のインチキ改正を行った。結果、当然のごとく、日本は勝てなくなった。

 

このようなイカサマなルール改正にも一言の文句も言わず(言えず?)、いつの時代も真摯な努力で対応してくるのが、良くも悪くも「誠実な日本民族」であるから、知らぬ間にあれだけ苦手としていたクロスカントリーを克服したのは、実に「驚くべき進化」と敬意を表さねばならない。

 

こうして、ジャンプ4位と出遅れながら「得意の」クロスカントリーで順位を上げ「7大会ぶりの表彰台」という結果には、この競技ならではの時間の重みを感じさせるのである。

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