2008/08/06

医者(2)

 医者嫌いで、医者にはなかなか足が向かないワタクシだが、ある時

(毎月、高い健康保険を払っているのだから、利用しなければ損だ)

という気持ちばかりでなく、体のだるさを覚えたため定時で職場を出ると、病院へと向かった。

東京に出て来てまだ間もないころの事だから、医者といっても心当たりなどのあろうはずはない。

いい加減に自転車を転がして、目に付いた小さな医院に入る。ところが不運にも、この医院が内科だと思ったら、医師によると

「私は内科医ではなく、xx科が専門で・・・まあ内科も兼ねてますので、風邪くらいは見ますけどね・・・」

との事で、そう訊いてしまった先入観からか、どことなく頼りなげに見えてしまうのだ。

向こうの方でも、ワタクシのようなタイプは苦手なのか

「なにしろ去年、東京に出て来たばかりだから、医者といってもサッパリ知識がなくてね」

というセリフを訊くや、得たりといわんばかりに

「もしよければ、内科を専門でやっている医者を紹介しますよ・・・」

ちょうど、ワタクシの前に診察室から出てきたのが、若く綺麗な女性だっただけに、ワタクシのようなむくつけきオトコなどは、厄介払いでもしたそうな態度だった。

「体がだるくて、関節の節々が痛む・・・それにのどが痛く、咳が出ます。咳の場合、夜寝られなかったり、朝起きた時に特に苦しくなるので、今までのお医者さんでは、咳止めの薬を出して貰ってましたが・・・」

と請求すると

「では、対症療法として、咳止めと喉の痛み止め。あと、抗生物質を出しておきましょう」

と薬を貰い、喉の痛みと関節痛、そして体のだるさは治まったが、今度はくしゃみと鼻水が出るようになった。

「この前のでは、くしゃみとか鼻水に対応した薬がなかったですが・・・通常は総合感冒薬のようなのも、一緒に出して貰いますが・・・PL顆粒とかなんとか」

「そう、そうね。  症状が変わって来たから、薬も変えないとね・・・」

と、どこか頼りなげな医師は

(また、煩いヤツがきやがったわい・・・)

という表情であった(* ̄m ̄)ブッ

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