トリッチ・トラッチ・ポルカ
「トリッチ・トラッチ」というドイツ語は「女のおしゃべり」と解釈することが出来るので、ウィーンっ子のゴシップ好きに関係しているのかもしれない。あるいはヨハン・シュトラウス2世は、オーストリアの役者で喜劇作家ヨハン・ネポムク・ネストロイ原作による、第1幕の戯作『井戸端会議』(Der Tritsch-tratsch, 1833年初演、アドルフ・ミュラー1世の音楽による)を参考にしたのかもしれない。この戯曲はポルカが作曲された時代になっても、まだ上演されていたのである。
この曲の雰囲気は、多くのヨハン・シュトラウス2世のポルカと同じく、軽快で威勢が良い。なおヨハン・シュトラウス2世の最初の妻ヘンリエッタ・トレフツが飼っていたプードルもまた「トリッチ・トラッチ」という名であった。元々は合唱つきで、ウィーン少年合唱団などのレパートリーとして残っているのは、その名残である。日本国内においては小学校の運動会で比較的よく流される曲であり、知っている人も多い。
アンネンポルカ
『アンネンポルカ』はヨハン・シュトラウス2世の母アンナ・シュトライム(Anna Streim)に捧げられた曲とする解説も稀に見られる。アンナ・シュトライム(Anna Streim)の素性については諸説あり、宿屋の娘、料理店の娘、居酒屋の娘、祖先はスペインのジプシー(ロマ)、スペイン貴族の血を引く等様々言われているが、真偽のほどは定かではない。
ピツィカート・ポルカ
『ピツィカート・ポルカ』(Pizzicato Polka)は、ヨハン・シュトラウス2世とヨーゼフ・シュトラウスが作曲したポルカで合作された。当時はロシア旅行に出かけており、その際に2人が連弾をしてこの作品が生まれたといわれているが、他にも説がある。後に同年6月24日に初演され大成功を収めたが、その後のコンサートでしばらく演奏されることがなくなってしまい、7月6日にようやく再演したところ好評を博した。後にシュトラウス2世は、23年後の1892年に「新ピツィカート・ポルカ」を作曲している。
名前の通り、弦楽器のピツィカートだけで演奏されるユーモラスな曲で、中間部のトリオでは鉄琴が加わる。ニューイヤー・コンサートでしばしば演奏されたり、CMなどで稀に流されている。
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