ヴァイオリン協奏曲第2番『スペイン交響曲』(Symphonie espagnole)は、エドゥアール・ラロが1874年にサラサーテのために作曲した作品であり、ラロの代表作と見なされている。1875年2月に、パリで初演された。19世紀から20世紀前半までは、第3楽章「間奏曲」をカットする習慣が続いたが、20世紀後半にメニューインなどが全曲演奏および全曲録音に着手してから、現在ではカットなしの演奏が一般化している。
交響曲と題され5楽章からなるものの、実質的にはヴァイオリン独奏と管弦楽のために作曲された、交響的協奏曲にほかならない。随所にスペイン的な主題が使われ、フランスにおけるスペイン趣味の流行の前触れを告げた。本作の初演は、ビゼーのオペラ『カルメン』の初演に先立つこと、実に1ヵ月であった。また、チャイコフスキーがヴァイオリン協奏曲ニ長調(1878年)を書く際、その民族色豊かな内容や音楽構造を研究し参考にしたと言われている。
ヴァイオリン協奏曲と公称されたラロの作品は《第1番 ヘ長調》があり、交響曲と公称されたラロの作品はト短調の作品(作品番号なし)のみである。『スペイン交響曲』から13年後の、この『交響曲 ト短調』は独奏楽器を伴っておらず、指揮者のトーマス・ビーチャムに愛されたものの、滅多に上演も録音もされていない。
出典Wikipedia
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