最高に楽しい音楽だ!
第82番『熊』は、前回紹介した「パリセット」の最後に書かれたもので、編成的にも最大となっている。ニックネーム「熊」の由来は、この第4楽章の主題の雰囲気による。バスの持続音の上に出てくる主題が、のっそりとした熊の唸り声を思わせるためである。そのせいか、全体的に攻撃的な雰囲気のある曲となっている。こんな上品な熊がいたら、ぜひともお目にかかりたいものだが。
同時に、この曲はハイドンが「技巧的に奇跡的な成長を遂げた」といわれている部分で、対位法を駆使した展開部は、それまでにはみられなかった徹底的なものとなった。だから冒頭記したように、単に「楽しい」というだけでなく、高度な技術を伴っているのである。
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