第4楽章は「生きる希望」を表現している。
「自分の生活に喜びを見出せないのなら、周囲の生活を楽しんでいる人々の中に飛び込んでみよう。
飛び込もうとすると、忌まわしい「運命」の主想旋律が現れる・・・彼ら無邪気な人々は、我々の暗い生活を理解してはくれない。
しかし彼らの幸福を一緒に喜んであげれば、生きる希望が持てるようになるだろう・・・」
曲は、全合奏による強烈で熱っぽい第1主題から始まる。
次に、ロシア民謡「野に立つ白樺の木」をもとにした素朴な旋律が現れ、もう一度第1主題が現れた後に熱狂的な第3主題が現れ、この3つの主題が入り乱れていく。
ここら辺は「生活を楽しんでいる人々」の中に「祭りの日の賑わい」が挙げられているように、お祭り騒ぎといった感じである。
ところが、突然「運命」の主想旋律が現れ、この騒ぎを中断させる。
しかし、終結部ではまた静かに楽しげな旋律が始まり、3つの主題が展開した後、熱狂的に、それも多少やけっぱちな感じ・・・それは、自分達の苦しさをわかってはくれない無邪気な人々の生活に飛び込む、捨て鉢な気持ちでも表されているのか?
といったように劇的な盛り上がりのうちに終結を迎える。
チャイコフスキーが、フォン・メック夫人に宛てた書簡では
「この世は暗黒だけではなく、この楽章で示されているように多くの素朴な人間の喜びがある。
たとえ我々は馴染めずとも、その喜びの存在を認め悲しみを克服するために生き続けることができる」
としている。
よって、この曲は悲しみを超える大きな決意を描いているとされている。
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