『奥様女中』(La serva padrona)</strong>は、ペルゴレージ作曲のオペラ・ブッファで代表作の一つである。
元来はオペラ・セリア《誇り高き囚人 Il prigioniero superbo
》のインテルメッゾ(幕間劇)として作曲され、共に1733年に初演された。ナポリ大地震の直後に歌舞音曲が禁じられていたのだが、ハプスブルク家の皇后の誕生日を祝うために、それが解禁されてから上演された最初のオペラであった。
《誇り高き囚人》は当時としても成功せず、今日においてもレパートリーとして認められてはいない。結局、これと《奥様女中》とは切り離され、後者が単独でヨーロッパ中で持て囃されるに至った。
オペラの歴史において、このインテルメッゾの重要性を見過ごすことなど到底できない。聴衆にとって、馴染み易い登場人物によって魅力的な作品となっている。すなわち頭の回るメードと、年老いた主人である。
ペルゴレージは、オペラ・ブッファの様式を完成させ古典派音楽への道を示した。
第1部
気難しい金持ちの年配男性のウベルトは、下男のヴェスポーネ(黙役)と女中のセルピーナを雇っている。ウベルトは、セルピーナに(飲む)チョコレートを持ってくることが遅いのに、腹を立てている。彼女はしぶしぶやってきたが、説教を軽く聞き流す。
ウベルトは
「自分は結婚するから、出て行け」
と言うと、セルピーナは
「だったら、私と結婚すれば?」
と言う。
ウベルトは呆れているが、セルピーナは本当は自分のこと好きなはずだ、と確信している。
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