2007/05/04

ペルゴレージ『奥様女中 (La Serva Padrona)』(1)

 


『奥様女中』(La serva padrona</strong>は、ペルゴレージ作曲のオペラ・ブッファで代表作の一つである。

 

元来はオペラ・セリア《誇り高き囚人 Il prigioniero superbo 》のインテルメッゾ(幕間劇)として作曲され、共に1733年に初演された。ナポリ大地震の直後に歌舞音曲が禁じられていたのだが、ハプスブルク家の皇后の誕生日を祝うために、それが解禁されてから上演された最初のオペラであった。

 

《誇り高き囚人》は当時としても成功せず、今日においてもレパートリーとして認められてはいない。結局、これと《奥様女中》とは切り離され、後者が単独でヨーロッパ中で持て囃されるに至った。

 

オペラの歴史において、このインテルメッゾの重要性を見過ごすことなど到底できない。聴衆にとって、馴染み易い登場人物によって魅力的な作品となっている。すなわち頭の回るメードと、年老いた主人である。

 

ペルゴレージは、オペラ・ブッファの様式を完成させ古典派音楽への道を示した。

 

第1部

気難しい金持ちの年配男性のウベルトは、下男のヴェスポーネ(黙役)と女中のセルピーナを雇っている。ウベルトは、セルピーナに(飲む)チョコレートを持ってくることが遅いのに、腹を立てている。彼女はしぶしぶやってきたが、説教を軽く聞き流す。

 

ウベルトは

「自分は結婚するから、出て行け」

と言うと、セルピーナは

「だったら、私と結婚すれば?」

と言う。

 

ウベルトは呆れているが、セルピーナは本当は自分のこと好きなはずだ、と確信している。

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