第2部
ウベルトと結婚したいセルピーナは、ヴェスポーネを怖そうな軍人に変装させ、自分の婚約者ということにさせる。
ウベルトに
「この人と結婚するから、お別れです」
と泣きながら告げる。
婚約者に扮したヴェスポーネは、何も話さないので恐ろしげに見える。セルピーナは、婚約者は持参金を要求している、と通訳するふりをする。ウベルトが渋ると、よけい婚約者が怖くみえるので、セルピーナはもしも持参金を出せないなら、ウベルトがセルピーナと結婚するしかない、と通訳する。
騙されたことを後で知ったウベルトだったが、結局セルピーナの魅力に負けて結婚することになる。
1幕、2幕ではなく1部、2部となっている理由は、このオペラは元々独立したものではなく「誇り高き囚人」というオペラ・セリア(正歌劇。深刻なストーリーのもの)の幕間に入るインテルメッツォ(幕間劇。お笑い中心のオペラ・ブッファの原型)であることに由来する。日本の能と狂言みたいなものである。
リリコ・レジェロ・ソプラノが歌う「頭の良い召使」というのは、モーツァルトでお馴染みである。
『奥様女中』は、今日よく知られているオペラの中では最も古いものの1つだが、登場人物はたったの3人のみ。それも1人は黙役なので、初心者にも分かりやすいストーリーである。
歌は、セルピーナが歌う「私のおこりんぼさん」というアリアが有名で、声楽を勉強する人が歌うイタリア歌曲集に入っている。
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