2008/02/28
トゥルヌド・ロッシーニ(「ロッシーニの料理」part1)
2008/02/22
丹波
ポリネシア語による解釈
(1) 主基(すき)田の「田庭」から
(2)「タニ(谷)・ハ(端)」から
(3)「丹(水銀)」から
(4)「タワ(峠)」の転
などの説があります。
出典http://www.iris.dti.ne.jp/~muken/
2008/02/20
終息(東京劇場・第5章part5)
どれが真相なのか実際のところはわからないが、こちらとしては一番困るのが
「『この件について自分は手を引くから、後はよろしく頼む』
との言を残して、E社のJ社長がさっさと撤退してしまった」
という、A社のTマネージャーの発言が嘘であった場合だ。
それ以外であれば、どれにしても特に問題になることはないだろうが、A社のTマネージャーの発言が嘘であったとすると、話はガラリと変わってくるのである。
A社のTマネージャーは
「『E社のJ社長が、自分は手を引くから、後はよろしく頼む』と言ってきた」
という事だったが、実はこれが嘘であったと仮定する。実はE社のJ社長とD社のK氏は、なおもXプロジェクトの件をまとめようとして協議を重ねた結果、両社にとっては儲けが薄くはなるが今後の展開を含めて、今回は多少無理な設定をする事に決めた・・・もしそうであった場合、このまま今の流れでA社と直接契約をしたのがE社もしくはD社にわかった場合、面倒な事になりはしないか?
トラブルに発展する危険性は、大いにあると考えざるを得ないのではないか。
最終的にD社が提示してきた単価は、当初の希望を僅かに上回るところまで来た。が、その前にA社から提示された単価は、それよりも時間当たり1000円近く上回っている。これは、我々庶民レベルでは物凄く大きな差であるから、A社のTマネージャーの発言が嘘でなければ、迷わずA社との契約を選びたいところだ。
が、そうであれば今更、D社から条件提示が出てきたのが不可解に思えてくる。D社、もしくはE社の勘違いであれば事は簡単だが、そうでなくA社のTマネージャーが嘘を吐いていたとしたら、後々面倒なトラブルに発展しかねない。元々、最初に声を掛けてきたのがD社であり、ここへ来て設定単価も希望に沿ったものが出てきたから、こうなれば儲けはかなり薄くなるが欲を張らずに、D社と契約するのが筋にも思えた。
ただしD社にしても、最初の交渉の時には
「これ以上はビタ一文上げられないから、これで納得いかなければ辞退してくださって構いません」
と言っていたのが二転三転して、結局当初の希望単価を上回ってきた辺りを見ると、あたかも
(最初はトンデモなく、マージンをとろうとしていたのではないのか?)
と、疑惑を持ってしまうのである。
ともあれ、A社のTマネージャーに真偽を確認してみる事にした。
「D社から、そのような話が来ましたが・・・」
「私には、わかりません。なぜ、今頃そんな話が出てきたんだろう・・・」
「前にも言ったように、トラブルが嫌なのでもう一度確認しますが、E社のJ社長が『手を引く』と言ったというのは事実でしょうか?」
「事実です。E社の J社長は『自分は手を引くから、よろしく頼む』と言って来ましたよ」
「だとすると、この段階でD社からあのような連絡が入る事は、あるはずがないんですが・・・」
「それは私も、不思議に思っていますが。しかし私の方では、最初から単価の設定は変えていないし、 J社長から単価の交渉の要請なんて、一度も来ていないからね。私には、まったくわけがわからない・・・」
これが本当ならば、J社長がD社のK氏に正しく伝えていなかったのかもしれない。
「いずれにしても、私は嘘は吐いてないよ。なんなら J社長を呼んで引き合わせてもいいですよ。私はJ社長とは懇意だから、そうした場を設けることは出来ます」
と、前回と同じ事を言った。
「それは結構ですが・・・前にも申し上げた通り、こちらとしてはトラブルだけは避けたいので、とにかくクリアな形で入りたいと思っています」
「トラブルなんかが起こる余地は、ないと思います。アナタはD社とやらが、2度も増額の設定をしてきたという事ですが、そもそも私の方では1度として、金額を変えていませんからね」
「ともあれD社が提示してきた単価は、当初の希望をようやくクリアしてきました。勿論、御社の設定に比べれば全然少ないですが、これでD社を辞退して御社と直接契約をする理由がなくなったとも言えるので、当初の想定通りD社と契約してやるのが一番筋が通っているという気もしてきましたよ」
「それは困る。もう注文書も出したし、社内での処理が済んでいるのだから、是非うちでやってもらわないと・・・」
確かに、既にここまで動いて来た流れを変えるのは、理に反するのである。
「E社のJ社長が『手を引く』と言ったのが事実で、トラブルが起こる余地がないというのが担保できるのであれば、問題はないですが」
「問題なく、担保できます」
「では念のため、E社のJ社長に
『Xプロジェクトの件は、要員が決まった』という内容の「終息宣言」を出していただけますか?
なんといっても、まだE社とD社が動いているようなのが、今後に不安材料を残しそうなので」
「わかりました。では、すぐにも出しましょう」
と、話がまとまった。
そして数時間後、Tマネージャーから
「E社のJ社長に『Xプロジェクトの件は、要員が決まりました』という終息宣言を出し、了解の回答を貰った」というメールが来て、二転三転した契約をようやく終えたのである。
2008/02/19
推理(東京劇場・第5章part4)
ところが、これで話は終わらなかった。ここで終わっていれば、まことに万々歳だったのだが・・・
中村屋でA社のT氏と口頭での仮契約を交わし、その破格の条件提示に喜びに包まれて帰ったまでは良かったのだが、その後思わぬ相手から電話が掛かってきたのである。
「D社のKですが・・・」
(なんだろう・・・まさか、例の件を嗅ぎつけた?)
と、思わず疑ったくらいだ。
「はぁ・・・なんでしょう?」
「いや・・・実は先日お話した、例のXプロジェクトの件ですがね・・・」
「はぁ・・・?」
なんとなく、嫌な予感がした。
「実は、辞退の意思は伝えておりましたが、その後E社から連絡がありましてね・・・交渉の結果、時間当たりxx円まで上げる事が出来ました。これだと、月180時間稼動の場合はxxとなって当初の希望額を上回ることになり、月160でも最低ラインは確保できるという計算になります。いかがでしょう?」
「いかがと言われても・・・」
この段階で、まさかD社のK氏から連絡が来るとは夢にも考えていなかっただけに、返答に窮した。
「あの件は辞退したし、この前の話ではこれ以上は無理だという事で日にちも経っているので、他でも動いていて状況が変わっているのですが・・・」
前回
「これ以上はビタ一文、交渉の余地はない」
と断言していたK氏が提示してきた金額は、前回より時間当たり300円も上がっていた。
最初からこの金額であれば、問題なく受けたはずだった。
「そうですか・・・それは残念ですな。そっちの方は、決まるとしたらいつ決定なのですか?」
「すぐにも、回答が来る予定ですが・・・」
「ではお手数ですが、そっちの回答が来たら連絡をいただけますか?」
と、K氏は言った。
はて、これはどうしたことか?
(一体、どうなってんだ、こりゃ)
と、驚いたのも無理はない。
ここで、もう一度これまでの経過を整理してみた。
【面接まで】
1.D社(五次請け)のK氏から、Xプロジェクトのオファーが来る。
2.D社のK氏から、取引先のE社(四次請け)のJ社長を紹介される。
3.E社のJ社長から、取引先のA社のTマネージャー(三次請け)を紹介される。 4.A社のTマネージャーに連れられ、S社(二次請け)の面接を行い、現場リーダーのA氏と会う。
5.S社の現場リーダーのA氏同席で、元請けのN社の面接を行う。
6.面接後、S社の現場リーダーA氏と喫煙所で会話し、意思確認を受ける。
7.面接後、A社のTマネージャーと食事をし、意思確認を受ける。
【面接後】
8.A社のTマネージャーから「内定」通知を受ける。
9.D社のK氏から「内定」の通知を受ける。が、単価が設定を大きく下回っていたため、辞退を申し出る。K氏は「E社のJ社長と交渉する」と回答。
10.D社のK氏から「交渉の結果、単価が少し上がった(100円/時間)」との連絡あり。が、依然として設定単価に届かないため、辞退を申し入れる。K氏は「E社のJ社長に辞退を伝える」と回答。
11.これまでの経緯を考え「A社との直接契約は出来ない」と伝える。T氏は「E社のJ社長から『自分は、この件から手を引く』という連絡があった」と回答。E社の撤退により、D社のXプロジェクトへの参画条件が絶たれたためA社との直接契約に臨む。A社のTマネージャーから「辞退は困る」と泣きつかれる。
12.A社のTマネージャーから、D社の提示額を大きく上回る(1000円/時間)条件提示あり。
13.単価が高いため、数百円分下げてくれるよう申し出たが「100円だけ下げた設定でやらせて貰う」と回答があり、この条件で合意する。
14.D社のK氏から、前回より数百円上積み(300円/時間)した条件提示あり(この時点で、T社の提示額とは「800円/時間」の差)
以前にも書いたが、そもそもこのXプロジェクトの件は最初にD社から誘いのあったものだから、そのD社や間に入っているE社を飛ばして商流の先にいるA社と直接契約を結ぶのは、いわば「反則」である。ここで反則というのは、特に「違法行為」というわけではなく、いわば「倫理」や「道義」といった概念に照らして「これは、よろしくないだろう」という意味での「反則」であり、本来ならこのような行動は取るわけがない。
ところが、この場合、A社とD社の間に入っているE社のJ社長が、こちらが辞退を申し入れた段階で、A社のTマネージャーになんとかしてくれと頼まれると『この件について手を引くから、後はよろしく頼む』とT氏に宣言して、さっさと撤退してしまったという事だった。
さらに、その話は事実かと確認すると
「今から、この場でJ氏に電話をして確かめてみてもいい」
とまで言われた。
ここまで言われては、こちらとしては相手の言を信用するしかない。また、T氏がそれだけ熱心に誘うということは、当然ながら孫請のS社や元請のN社から「是非、来てくれ」と要請を受けていることも、これまた疑いながない。
こうしてE社が撤退した事で、D社としてはXプロジェクトに通じるパイプが断たれたわけだから、いかに最初の紹介元のD社とはいえ既にこの時点において、なんら気兼ねをする必要がなくなったはずだった。そもそも、D社に対しては条件が合わず断っていたのだから、D社との繋がりは既になくなっていたのである。
ところが、ここへ来て既にXプロジェクトへの参画資格を失っていたと思っていたD社から、単価を上乗せした条件提示が出てきたから、これはまったくわけがわからない。考えられるのは、以下のいずれかのケースである。
推理1:「E社のJ社長が、さっさと撤退してしまった」というA社のTマネージャーの発言自体が、真っ赤な嘘であった(または勘違いしていた?)
推理2:E社のJ社長は、A社のTマネージャーに対して撤退を宣言したが、D社のK氏に対してそれを知らせていなかった(または、知らせたつもりで勘違いしていた)
推理3:E社のJ社長は、A社のTマネージャーに対し撤退を宣言し、D社のK氏に対してもその旨を知らせたが、K氏がまだ続いているものと勝手に勘違いしていた。またはD社のK氏が、まだなんとか出来ると勝手に考えていた。
推理4:A社のTマネージャーが、E社のJ社長に『この件については、自分に任せてくれ』というようなことを伝え暗に撤退を要請したが、実はE社のJ社長は納得していなかった。
推理5:E社からの増額要請を却下したA社のTマネージャーが、E社とD社経由では単価が合わないと見込んで「E社のJ社長が、撤退したいと言ってきた」という話を創作した。が、E社とD社が(個別または共同での)内部調整を行い、単価の増額を捻出した。