第2楽章 生き生きと、しかし速すぎずに
(Lebhaft, doch nicht zu rasch)
シューマンらしい付点音符の上昇音型から成る躍動的なスケルツォ。トリオは一転して、雲の上を歩くような浮遊感のある音楽。シューマンは、室内楽曲でも印象的な作品を残した。弦楽四重奏曲も作曲したが、後のブラームスのように、どちらかといえばピアノが入った編成でロマン的な香気の高い作品において、その本領を発揮した。
特に、ピアノを協奏的に扱った『ピアノ五重奏曲』は名作として知られる。また『ピアノ三重奏曲』や『ヴァイオリン・ソナタ』は、後期シューマンの充実した内容を示した作品である。
管楽器や弦楽器のための性格的な小品が数多くあるのも特徴的で、それぞれの楽器の奏者にとっての貴重なレパートリーとなっている。生来の躁鬱の気質が嵩じて、いよいよ正気と狂気の狭間を行き来し始めたころの作品だけに、そこはかとない不気味さも漂う。
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