「ピアノ三重奏曲」といっても、ピアノ3台で演奏するわけではない。基本的にはピアノ、ヴァイオリン、チェロの構成。通常「x重奏曲」というのは弦楽器のみの編成を指すため、ピアノが加わった場合には「ピアノ+x重奏」の意味で、このような呼称となっている。
第4楽章:熱情をもって (Mit
Feuer)
哀愁漂う前楽章から一転し、祝祭的な明るく弾む第1主題で開始する。第2主題は、一転して哀愁を帯びた旋律。次々と魅惑的な楽句が現れ、第1主題も現れて祝祭的な気分を盛り上げる中で、途中何度か顔を出す第2主題の悲哀が、見事なコントラストを描き、最後は白熱的なコーダて曲を閉じる。
すでに精神病の気配が濃厚になりつつある、晩年の入り口にあたる時期の作品であり、全曲を覆う感情は暗くしかし情熱的だ。
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