エア神の説明によりウトナピシュティムは船をつくり、自分と自分の家族、船大工、全ての動物を乗船させる。
6日間の嵐の後に、人間は粘土になる。
ウトナピシュティムの船は、ニシル山の頂上に着地。
その7日後、ウトナピシュティムは、鳩、ツバメ、カラスを放つ。
ウトナピシュティムは船を開け、乗船者を解放した後で神々に生贄を捧げると、その匂いにつられて多くの神が集って来た。
生き残った者がいることを知ったエンリル神は怒り、ニヌルタ神は言った。
「エア以外に、誰がこんなことをしようか」
エア神は「洪水など起こさずとも、人間を減らすだけでよかった」
「ウトナピシュティムに夢を見させただけで、私は何もしていない。
彼らが、ただ賢かったのだ。
今は助かった者たちに、助言を与えるべきであろう」と話す。
そしてエンリル神は、ウトナピシュティムに永遠の命を与えた。
ウトナピシュティムは遥かなる地、2つの川の合流地点に住むこととなった。
話し終えたウトナピシュティムは「6日6晩の間、眠らずにいてみよ」と告げるが、ギルガメシュは眠ってしまった。
妻に促されたウトナピシュティムはギルガメシュを起こし、ウルシャナビを付き添わせて身を清めさせ、ギルガメシュはウルシャナビと船に乗った。
ウトナピシュティムは妻の執り成しによって、苦労してやって来たギルガメシュに若返りの植物「シーブ・イッサヒル・アメル」が海の底にあることを教えてやる。
ギルガメシュは、足に石の重りを付けて海底を歩きその植物を手に入れるが、帰還途中、泉で水浴びをしている間に蛇がその植物を取って行ってしまった。
ギルガメシュは泣き、ウルシャナビと共にウルクへ到着する(物語の終わり)。
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●補足
物語は、ウルクへ到着したギルガメシュの言葉(第1の書版冒頭部分の繰り返し)で結ばれており、不死希求の旅を終え帰国したギルガメシュが、ウルクの建設を果たしたことが示唆されている。
旅の成果が、ギルガメシュにとって如何なるものであったかに注目が及ぶが、不死を得た者が言うには、永遠の命は神々からの贈り物であってウトナピシュティム自身が、あずかり知ることではなかった。
眠りにさえ勝てないギルガメシュは若返りの薬すら手に入れられず、最終的に永眠しているため、旅の果てに永遠の命を諦めたとも、最後には死の恐怖を克服したとも受け取れるというが、書版によっては旅の最後にギルガメシュが「やすらぎを得た」とあり、旅の途中で出会った人全員から「今ある生を謳歌するように」と諭されていたことからも、何らかの答えを見出したとする説は世に浸透している。
ただし、そういった感想は著者によって表現、見解が異なる傾向にある。
●粘土版 12
粘土版 1-11 とは独立。
神々の名が、シュメール語で呼ばれていることにも注意。
天地が創造されてしばらく経ったある時、ユーフラテス川のほとりに柳の木が生えていた。
木が南風により倒れると、川の氾濫が起きて柳の木が流されていく。
これを見つけたイナンナによって、椅子と寝台にする目的で聖なる園に植えられる。
ところがその木に蛇やズー、リリトが棲みついてしまった。
イナンナの悲嘆を知ったギルガメシュは蛇を撃ち殺し、ズーとその子ども達は山へと、リリトは砂漠へと逃げていった。
ギルガメシュの家来たちによって木は切り倒され、イナンナはその礼に木の根元から太鼓と撥(プックとミック)を作り、ギルガメシュはこれを受け取る。
ところが、詳細は不明だが太鼓と撥は大地の割れ目から、地下(=冥界)に落ちてしまった。
そこでエンキドゥが冥界に向かうこととなり、ギルガメシュはあらゆる注意事項をエンキドゥに言い聞かせるが上手く伝わっておらず、エンキドゥはタブーを破って冥界に囚われてしまう。
ギルガメシュはエンリルに助けを求めるが取り合わず、エンキ(エア)に助けを求めると彼は承諾した。
最後は冥界にいるエンキドゥが、エンキとウトゥの助けによって、影(すなわち魂)のみ地上に戻る。
その後、エンキドゥにより冥界の様子が語られる。
※Wikipedia引用
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