2017/03/11

ギルガメシュ叙事詩(3)



粘土版 7
 以下、エンキドゥが見た夢の内容によるもの。
 
 森番フンババと聖牛グガランナを倒したために、2人のうち1人が死なねばならぬとアヌは言った。
 
 エンリルは、ギルガメシュの死を望まず「エンキドゥが死ぬべきだ」と言った。
 
 シャマシュは「(ギルガメシュたちは)自分の命令に従って牡牛どもを殺したのに、何故エンキドゥが死なねばならぬのか」と反論。
 
 エンリルは答えた。
 
 「何故ならば、お前(シャマシュ)は、毎日あの2人(ギルガメシュとエンキドゥ)の仲間であるかのように行動するからだ」。
 
 エンキドゥは夢を語り終えると、病み倒れて泣いた。
 
 エンキドゥの涙を見たギルガメシュは、エンリルに祈りを捧げ裁判のやり直しを望むが、エンリルは聞き入れなかった。
 
 エンキドゥはシャマシュの前で泣きシャムハトを呪うと言い出すので、シャマシュは「シャムハトのお陰で人間らしくなれ、ギルガメシュという親友ができた」と言って励まし、エンキドゥの心を落ち着かせた。
 
 後にエンキドゥは冥界にいる夢を見て、死が近いことを悟る。
 
 熱病に倒れてから12日目、ギルガメシュとこれまでの思い出を語り合い、共に冒険し苦難し寄り添った親友に看取られながら、エンキドゥは息を引き取った。
 
粘土版 8
 夜明けの光とともに、ギルガメシュはエンキドゥを哀悼する。
 
 ラピスラズリや金で出来た立派な像を作り、紅玉石の入れ物に蜜を詰め、青玉石の入れ物にはバターを詰め、これらを飾った物を奉納した。
 
 様々な副葬品を用意して、それらが「彼(エンキドゥ)の傍に行くように」とシャマシュに祈り、ウルクの民たちと共に手厚く葬儀を行った。
 
粘土版 9
 
埋葬を終えたギルガメシュは荒野を彷徨い、エンキドゥの死に激しく泣いた。
 
 次第に死の恐怖に怯えるようになり、ギルガメシュは永遠の生命を求め旅立つ決意を固めた。
 
 「大洪水」の生存者、神によって妻とともに不死を与えられたウトナピシュティムに、不死のことを聞き出すための旅である。
 
 ギルガメシュは、地の果てでマシュ山(Mount Mashu)の双子山に着く。
 
 そこには、門を守る2人のサソリ人間が居た。
 
 サソリ人間たちはギルガメシュが半神であることを見抜き、何故こんな所までやって来たのかを問うた。
 
 ギルガメシュは訳を話すが、サソリ人間は「この先の山は暗闇に包まれ、入ってしまえば出ることは出来ない」と言ってギルガメシュを引きとめる。
 
 しかしギルガメシュの意志は固く、ついにサソリ人間は山の門を開いた。
 
 ギルガメシュは120kmの暗闇を歩き抜き、宝石やブドウで満ちた木々がある楽園へ辿り着いた。
 
粘土版 10
 シャマシュはギルガメシュの姿を見て困惑し、どこまで彷徨い歩くのか尋ね「求める生命が見つかることはないだろう」と話す。
 
 ギルガメシュは自分なりの答えを言い、先へ進んだ。
 
 ギルガメシュは海辺で酒屋の女将シドゥリに出会い、旅の目的を尋ねられたので、これまでの経緯を話す。
 
 ここでも、シドゥリから「求める生命を、あなたが見つけることは出来ないでしょう」と言われ、人間はいずれは死ぬものだという人生のあり方を示される。
 
 それでも、エンキドゥの死によって苦しむギルガメシュは考えを変えず、海を渡る道を教えてほしいと頼んだ。
 
 シドゥリはギルガメシュの胸中を悟り、船頭ウルシャナビを紹介する。
 
 ギルガメシュはウルシャナビに名を告げ、2人は死の海を漕ぎ出した。
 
 船がウトナピシュティムの島に着くと、ギルガメシュは旅の目的をウトナピシュティムに話した。
 
 訳を聞いたウトナピシュティムは、ギルガメシュに「神々に創られし者であるならば、そこに必ず命は定められるのだ」と語る。
 
粘土版 11
 ギルガメシュは更に教えを請うと、ウトナピシュティムはどのようにして不死を手に入れたか、その秘事を明かし始めた。
※Wikipedia引用 

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