2017/03/24

カルボナーラ (パスタマニア)(8)

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カルボナーラ(伊: pasta alla carbonara)とは、パスタ料理の一種である。料理の一覧

 

かつてカルボナーラを作るだけの動画がランキング入りするなど、ニコニコ動画ではとても人気のあるメニューである。本項ではイタリアの一般家庭で作られるような、ほっとするカルボナーラについて述べる。

 

概要

イタリア中西部のラツィオ州、とりわけ首都ローマが発祥とされる料理である。味付けは基本的に茹で汁の塩味と塩漬け肉の旨味、卵のコクとチーズの風味、黒胡椒の香味で構成された極めてシンプルなものであり、それだけに調理の上では茹で汁の使い方と黒胡椒の存在がとても重要なものとなっている(後述)。

 

パスタはスパゲッティやブカティーニなどの細麺、フェットチーネやリングイネなどの幅広麺のロングパスタの他、ペンネやフジッリ、リガトーリなどのショートパスタでも供される。日本のイタリア料理店やコンビニ弁当などでは、スパゲッティやフェットチーネが一般的なようである。

 

歴史

カルボナーラという言葉は「炭焼き職人」カルボナーロ(carbonaro)の女性形で、前置詞と組み合わされて「炭焼き職人風」を意味する。黒胡椒を炭粒に見立てての命名であるという説が有力であるが、本物の炭焼き職人たちが作業中に焼き窯から離れなくても栄養のある食事が摂れるよう常備していた食材から生み出したという説や、イタリア統一の際に暗躍した秘密結社「カルボナリ党」に由来するという説など諸説ある。アメリカでは「石炭採掘労働者風」と再解釈されることもあったようだ。

 

なお伝統的なレシピでは卵は使われておらず、現在の生卵を使うレシピは第二次世界大戦中~戦後より前には一切記録が無いことから、それ以降に誕生したものと考えられており、結構新しい。由来には諸説あり、イタリア戦役でローマに進駐したアメリカ兵が現地のパスタをアレンジして成立したという説、戦後に支援物資としてミネソタ州から贈られた大量の卵の使い道として考案された説(完全に余談だが、日本では暁テル子が歌う「ミネソタのたまご売り」と云うブギが戦後まもなくヒットし、後にハウス食品が「たまごめん」というインスタントラーメンのCMソングにこれの替え歌を採用しヒットしたことが『ちびまる子ちゃん』でもネタになっている。要するに、それだけミネソタ=卵は有名だった、ということで)、などがある。

 

中でもユニークな説として、カルボナーラはナポリ料理の手法を採り入れたもの、というものがある。カルボナーラで使う卵液とほぼ同一の物を食べる直前に掻き混ぜる、というレシピが古今のナポリ料理に散見されるから、というのがその理由である。しかしながらナポリはカルボナーラを生み出すことは無く、代表的なパスタと言えばケチャップで和えた真っ赤なスパゲッティ、漁師町らしくボンゴレのような海鮮パスタの数々となる。とは言え、もしも歴史の歯車の噛み合わせが少し違っていたとしたら、我々が今日カルボナーラと呼んでいるパスタを「ナポリタン」と呼んでいた可能性もあった、かもしれない。

 

材料(一例)

カルボナーラ

パスタ:160g

塩:湯の量の1%

ベーコン:60g

卵:2

パルメザンチーズ:大さじ12

粗挽き黒胡椒:適量

手順(一例)

味付けの決め手となる茹で汁の使い方と黒胡椒が重要なポイントである。

 

なるべく大きな鍋でパスタが踊る位の湯を沸かし、塩を加えて(舐めてほんのり塩味を感じる程度が目安。味が無いのはNG)からパスタを投入。表示の茹で時間の1~2分前にチェックをし、アルデンテの少し手前で揚げるようにする。

 

パスタを茹でている間、フライパンで油をひかずに弱火でじっくりとベーコンを加熱し、出てきた油で香ばしく炒める。お好みでカリカリに仕上げても良いが、焦がし過ぎないように注意。ベーコンは薄切りが普通だが、ブロック肉をやや厚切りにしたものも良く、また代わりにパンチェッタ(半生ベーコン)やグアンチャーレ(頬肉ベーコン)を用いるとより本格的に。炒め終わったら一旦、火から下ろす。

 

卵液を作る。卵をボウルに割りよく混ぜ、卸したパルメザンチーズと粗挽き黒胡椒を適宜加える。卵については「卵黄だけ使う」「卵黄を多めに使う」「全卵を使う」の3つのパターンがあるが、当然卵黄の比率が高くなれば濃厚な味わいになる。チーズはパルメザンの代わりにペコリーノ・ロマーノでも良し、パルミジャーノ・レッジャーノ(パルメザンの最上級)なら更に良し。胡椒は直前にミル挽きしたものが香味が強くなり、平坦になりがちなソースの味をしっかりと引き締めてくれるが、そこはお好みで。

 

パスタが茹で揚がる直前にフライパンを中~強火にかけ、茹で汁を少量加えてサッと加熱し、油脂が十分に乳化した所で火を止める。麺の食感と風味を損なわないよう、基本的にここから先は一切火を使わないで、余熱と茹で汁の熱のみで調理する。

 

茹で揚がったパスタをフライパンに投入、味を見ながら茹で汁を加えて絡ませる。ここで大まかな塩加減を決めていくと良い。麺を解し易くするために、先に適量のオリーブオイルを絡めておいても良い。

 

卵液を加えて、よく混ぜながら余熱で程良く火を通す。きちんと味見をして味が薄かったり、熱が足りなかったり、ソースが重た過ぎた場合には温かい茹で汁を加えて調整するが、塩味が強くなり過ぎない様に気を付ける。茹で汁で解決できない場合は火を入れるしかないが、この時の作業は手早く短時間で行い、ソースが炒り卵にならないよう、パスタが伸びないように注意する。

 

器に盛り付けて好みの分量の黒胡椒やチーズ、彩りのパセリ等を振り掛けて完成である。Buon appetito!(ブォナッペティート!= 召し上がれ!)

 

バリエーション

卵液に生クリームを入れるレシピはイタリア式ではなく、手軽にコクを増しソースを固まり難くするためにアメリカで考案されたものだが、日本の家庭やイタリア料理店等でもよく見られる調理法である。家庭でやるなら、在り合わせの溶かしバターや少量の牛乳などでも、そこそこ代用できる。

 

肉を炒める油脂に、少量のオリーブオイルと共に包丁の腹で潰したニンニクを加えて弱火で加熱し、アーリオ・オーリオにするレシピもイタリア式ではないが、あまり違和感も無いからかよく見られる調理法。取り出したカリカリニンニクは、トッピングにしてもまた良し。また同様の趣旨では、玉葱もよく見られる。

 

仕上げに温泉卵をトッピングするのは、日本ではほぼ定番。また、塩味が強くなり過ぎた時にも使える。

 

日本では上述のような、カルボナーラの持つシンプルなイメージからは大きく外れないアレンジが殆どだが(例外は後述)、海外には豆類や茸類の入ったものも珍しくなく、イタリア本国でも(例外として)イタリア野菜や海鮮の入ったものが存在するなど、美味しけりゃもう何でもアリである。かのイギリスでは卵の代わりにベシャメルソースを入れることもあるそうだが、それはもはやカルボナーラではなく普通のクリームパスタではなかろうか。

 

さて、先にも述べたように、カルボナーラにおいて黒胡椒はとても重要な位置を占めている。にも関わらず「PRONTO」のカルボナーラには何故か黒胡椒が一切入っておらず、代わりにペッパーソースの小瓶がセットで付いてくる。このため、ソースを振り掛けられて赤くなったその様はさながら「炭焼き職人失踪事件(ただし現場には多量の血痕)」の様相を呈する。

 

また、卵に余分な熱を加えて固めない様にするのもカルボナーラの鉄則であるが、「パンコントマテ」ではカルボナーラが何故か「スクランブル」にカテゴライズされており、注文すると「名状しがたい大盛りの自家製極太生パスタに大量の半熟炒り卵が絡み付いたようなもの」が出てくるカオス。

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