ティタン神族の女神たち
1.テイア
「ヒュペリオン」の妻。太陽神ヘリオスたちの母。
2.レア
「クロノス」の妻。ゼウスたちオリュンポス神族の母。
3.テミス
「掟の女神」。
ゼウスによって「季節のホライ姉妹」、「運命のモイラ姉妹」、「アストライア(正義の女神ディケの別名とされ、人間世界に正義が失われていくのに悲観して天に戻り乙女座となって今の地球を見ているとされる女神)」、「エイレネ(平和の女神)」等々の母となる。
テミスは、後にアポロンに予言の術を授けたとも言われる。
ホメロスでは神々の集会を招集し、取り仕切る重要な女神とされている。
オリュンポス神族の時代となっても、その地位を保てた数少ないティタン神族の一人。
4.ムネモシュネ
「記憶の女神」ゼウスによって「文芸の女神たちムサイ姉妹」の母となる。
5.ポイベ
「コイオス」の妻。後にアポロンやアルテミスをうむ「レト」の母。
6.テテュス
「オケアノス」の妻
別格「ディオネ」
ディオネというのは、本来「ゼウス」の女性形であると考えられ(ゼウスの語根はディウー)、天の女神と考えられる。
ドドネのゼウス神域では、ゼウスの妻とされている。
ホメロスではゼウスとの間に「アフロディテ」を生んだことになっている。
ムサイ
「文芸の女神たち」であるが、上記ムネモシュネの娘で重要神となるので、ここで紹介しておく。
ムサイは、元来は「三人」とされていたようで「ムサイの祭儀」ではそうなっていることが多い。
他方、ホメロスの叙事詩では「一人」であるが、逆にヘシオドスの記述では九人とされている。
ムサイの聖地としては、ヘシオドスの故郷ともされる「ヘリコン山」が有名である。
ここでの祭儀では、ムサイは三人である。
しかし文芸が盛んになるにつれ「九人説」が台頭していき、それぞれに文芸の領域が割り振られていったともいえるが、むしろ「文芸の種類」が明確にされ、それに対応して九人とされたのだろう。
その割り振りは相当後代になって、むしろローマ期のものと考えた方がいい。
それは要するに叙事詩や抒情詩、歌、音楽、また悲劇、喜劇、さらに見聞・調査録(原語は「ヒストリア」で、これは英語でヒストリーとなるため「歴史」と訳されてしまうが、本来は民族のあり方を地域特色やいきさつを「調査・見聞して書き留めたもの」を意味し、今日的には「地誌・歴史」の初期形態をいう。
初期の時代は「物語詩」と似たようなもので、従って「詩の女神」が司るものとされたのであろう。
盛期ギリシャになってからのヒストリアとしては、ヘロドトスの「ヒストリア」が代表的)、あるいは天文までを司った女神たちである。
天文とは「天体・星を歌う詩」だけではなく「天文学」までを司ったようである。
星々の動きは「詩的」であり、その天体の動きは「音楽的」とも見られたためであろう。
あるいは「天界のヒストリア」とも見られたのかもしれない。
その割り振りは異説も多いけれど、だいたい次ぎのようなものになる。
クレイオ ・・・「ヒストリアの女神」で、巻物ないし巻物入れで象徴される。
タレイア ・・・「喜劇の女神」で喜劇の面を持ち、蔦の冠あるいは杖を持つ。
エウテルペ ・・・「笛の演奏の女神」で「笛」を持つ
エラト ・・・「抒情詩の独唱の女神」で「竪琴」を持つ
カリオペ ・・・「叙事詩の女神」で「書版と鉄筆」。オルフェウスの母ともされる。
メルポペネ ・・・「悲劇の女神」で悲劇の高靴を履き、仮面を持ってブドウの冠を被る。
テルプシコレ・・・「合唱詩と踊りの女神」で竪琴を持つ。
ウライア ・・・「天文の女神」で杖を持つ
ポリュムニア・・・「賛歌の女神」
※ http://www.ozawa-katsuhiko.com/index.html 引用
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