●イアペトスの有名な子どもたち
五番目のイアペトスの子どもたちは、とりわけギリシャ神話で活躍する重要神となってくる。
●アトラス
「天球を支える巨人神」として有名であるが、これはオリュンポス神族とティタン神族のとの戦いにおいて負けた「罰」として、彼が天球を持たされることになったとも、元々彼が天球を支えていたので、敗戦の後も彼だけはそのまま任務を任されて「底なし空間タルタロス」に投げ込まれずにすんだとも言われる。
ホメロスでは、天球を支える「支柱の番人」となっている。
アトラース(古希: Ἄτλας,
Atlās)は、ギリシア神話に登場する神である。
日本語では、長母音を省略してアトラスともいう。
巨躯を以て知られ、両腕と頭で天の蒼穹を支えるとされる。
名前は「支える者」・「耐える者」・「歯向かう者」を意味する古印欧語に由来する。
ティーターン神族の一柱のイーアペトスとオーケアノスの娘クリュメネー(あるいはアシアー)の息子。
プロメーテウス、エピメーテウス、メノイティオスの兄。
アルカディアのキュレーネーにおいて、オーケアノスの娘プレーイオネーとの間にプレイアデスと称される7人の娘、すなわちマイア、ターユゲテー、ステロペー、メロペー、ケライノー、アルキュオネー、エーレクトラーをもうけた。
ヒュギーヌスによれば、他にもヒュアスたち(ヒュアデス)という5人の娘たち、さらにヒュアースという息子をもうけた。
またオーケアノスの妃であるテーテュースとの間に女神カリュプソーをもうけた。
ティーターン神族が、ゼウス達との戦い(ティーターノマキアー)に敗れると、アトラースはゼウスによって、世界の西の果てで天空を背負うという役目を負わされる事となった。
この役目は、アトラースにとって苦痛を伴うものであった。
後に英雄ヘーラクレースが、アトラースを頼って訪れて来た。
彼はエウリュステウス王に、ヘスペリデスの庭園から黄金の林檎を取り、ミュケーナイへ持ち帰るよう命じられた(ヘーラクレースの11番目の功業)のだが、肝心の庭園の場所が分からなかった為、コーカサス山に縛り付けられていたプロメーテウスを救い出し、彼に助言を求めた。
そして、彼からアトラースの所へ行ってみてはどうかと言われた(アトラースは、庭園に住むヘスペリスたち(ヘスペリデス)の父であった)。
ヘーラクレースから、黄金の林檎を手に入れたいと相談されたアトラースは、自分が天空を支える重荷から逃れたい事もあり、ヘーラクレースに対して自分が庭園に行って林檎を持ってくるから、その間天空を代わりに支えて欲しいと頼んだ。
こうして天空をヘーラクレースに任せたアトラースは庭園に行き、林檎を持って帰ってきた。
しかし、再び天空を背負う事が嫌だった彼はヘーラクレースに対し、このまま林檎をミュケナーイまで届けてやるから、もうしばらく天空を背負っていてくれと言った。
勿論、これはアトラースの企みであった。
ヘーラクレースはその事に気が付き、逆にアトラースを騙すことにした。
彼はアトラースの言う事に納得したふりをしつつも、このままの背負い方を続けるのは辛い、どうすればもう少し楽に背負えるか教えて欲しいと言った。
結局、この言葉にアトラースは騙され、彼が天空を背負って見本を見せている間に、ヘーラクレースは林檎を手に取り、エウリュステウス王に渡すべくミュケーナイへ行ってしまった。
こうしてアトラースは、再び天を背負う事になった。
この他、アトラースが林檎を持ってヘーラクレースの所に帰ってきた時、(渋々ではあるが)自分で再び天空を背負い、ヘーラクレースに林檎を渡して帰らせたと語られる事もある。
別の神話によれば、メドゥーサを討伐したペルセウスがアトラースの元を訪れた時、ペルセウスが持っていたメドゥーサの首により、アトラースは石と化す事となった。
その経緯については諸説あり、天を支えるという重荷に耐えかねたアトラースが、ペルセウスに頼んでメドゥーサの首を見せてもらい、石と化して重荷から解放されたという話や、ゼウスの息子が将来、自分の黄金の林檎を奪いに来るだろうと聞かされていたアトラースが、自分を訪ねてきたペルセウスを追い返そうと、あるいは殺そうとした(ペルセウスは、ゼウスとダナエーとの間に生まれた子であった)為、逆上したペルセウスによって石と化した話等がある。
アトラースが石となった名残りが、アトラス山脈であるという。
プラトンの『クリティアス』という書には、この巨人と同一人物なのか、同名の別人と見ているのか、あるいは意訳の結果アトラースの名前を当てはめたのかは不明だが「ポセイドーンがクレイトーという女性の間に10名の息子をもうけ、その長兄がアトラースであった。」
という神話が出てくる。
●余録
地図帳をアトラスと呼ぶのは、16世紀にメルカトルが地図帳の表紙としてこのアトラースを描いたことに由来する。
アトラスの名は、1950年代末から60年代初期にアメリカが開発した最も古い大陸間弾道弾に用いられたが、1960年代になると宇宙開発に転用され、人工衛星やマーキュリー計画の有人衛星打ち上げロケットとして使用されている。
※Wikipedia引用
●プロメテウス
神々が人間を滅ぼそうとした時、こっそり「天の火」を持ち出して人間に与え、そのため人類は絶滅せずにすんだという神話の持ち主で、そのおかげで彼はゼウスの怒りを買って岩山にくくりつけられ、鷲に内蔵を喰われるという罰を与えられた。
この神話を基にしたのが、有名なアイスキュロスの『縛られたプロメテウス』となる。
彼の名前は「先を慮る神」との意味を持ち、ゼウスの知らない秘密を知っていたことから、やがてゼウスと和解することになる。
●エピメテウス
プロメテウスの弟で「後で考える」という意味を持ち、要するに「先が見えない」ためゼウスからの贈り物「パンドラ」を受け取ってしまい、そのため人間世界に災厄が蔓延するようになったという有名神話の当事者。
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