2017/12/04

ポセイドン(ギリシャ神話21)



ティタノマキア
王位簒奪を恐れたクロノスによって呑み込まれていたが、ゼウスによって救出された。オリュンポス側としてティーターノマキアーに参戦し、ゼウスやハーデースと共にティーターン神族と戦った。キュクロープスから海と大地を操ることのできる三叉の矛を贈られ、以後彼の主要な武器となる。三叉の矛によって宇宙を揺さぶり、ゼウスたちとの共闘によってティーターン神族を敗北させた。

ギガントマキア
ポセイドンは巨人族との戦争であるギガントマキアーにも参戦し、火山や島々を投げ飛ばしては巨人ギガースを戦闘不能にさせていた。ポセイドーンはコス島の岩山をもぎ取り、ギガースの一人であるポリュボーテースに打ち付け、その岩山は後にニーシューロスという火山島になった。岩山に封印されたポリュボーテースが、重みに耐えかねて火炎を吹くのである。

トロイア戦争
トロイア戦争では、トロイアの王ラーオメドーンが城壁を建造した際の報酬を踏み倒した事を根に持っていたため、アカイア側に属している。アカイア勢を常に鼓舞し、ゼウスから参戦許可が下りた後は積極的に介入し、三叉の矛で全世界を揺さぶって威圧した。この宇宙規模の地震は、冥界に座するハーデースが恐れおののくほどであった。

アテーナーとの争い
アテーナイの支配権をめぐり、アテーナーと争ったといわれる。2人がアテーナイの民に贈り物をして、より良い贈り物をした方がアテーナイの守護神となることが裁定で決まり、ポセイドーンは三叉の矛で地を撃って塩水の泉を湧かせたが、アテーナーはオリーブの木を生じさせた。これによって、アテーナイはアテーナーのものとなったという。

 この結果に納得がいかなかったポセイドーンは、アテーナイに洪水を起こしたが、ゼウスが仲介に入ってアテーナイのアクロポリスにアテーナーの神殿を、エーゲ海に突き出すスニオン岬にポセイドーンの神殿を築き、2人は和解した。アテーナイのアクロポリスには、この塩水の泉が枯れずに残っていたといわれる。この他にも、ゼウスやヘーラー、ディオニューソス、ヘーリオスとも領有地争いを起こしている


プラトーンの批判
プラトーンは対話編の中で上記の話について、神々が己にふさわしい地を知らないはずがなく、このような争いがあったとは思われないと批判している。

アトランティス
プラトーンは対話編『クリティアス』の中で、ポセイドーンは伝説の大陸アトランティスを自らの割り当ての地として引き受け、その中心に人間の女たちに生ませた子を住まわせたとしている。アトランティス大陸は、リビアとアジアを合わせたよりも巨大であり、幻の金属オリハルコンが産出されるなど地下資源に富んでいた。アトランティスの人々はポセイドーンを崇拝し、ポセイドーン神殿や戦車に跨がるポセイドーン像を金や銀、オリハルコンで建造してはポセイドーンに捧げていた。

しかし、アトランティス原住民と交わり続けたことで、アトランティス市民の神性が薄まっていき、堕落の果てには神々を敬わなくなってしまった。これに憤慨したゼウスはオリュンポス山に神々を召集すると、アトランティス大陸を沈めることを知らせた。ゼウスは大雨を降らせ、アトランティス大陸を海中に沈ませた。また、ポセイドーンが三叉の矛で大陸を海に引きずり込んだとする説もある。

人物
ポセイドーンの性格は荒ぶる海洋に喩えられ、粗野で狂暴な性格で、しばしば傲慢な人間たちを罰した。また、高潮や嵐といった自然現象の脅威によって罰することもあれば、海に住まう巨大な怪物に都市を襲わせることもあった。当時、神々と人類の関係は今日のような個々の関係ではなく、各共同体との関係であったため、傲慢な人間が住まう共同体ごと罰することが基本であった。

神々の中での地位は極めて高く、全物質界を支配しているだけあってその威厳は並外れているが、神々の王ゼウスには逆らえないようである。イーリアスではゼウスと口論をする場面もあるが、ポセイドーンは怒りながらもゼウスの主張を受け入れている。しかし、かつてはポセイドーンがゼウスに対して反乱を起こしたこともあり、実力はゼウスに比肩することを示している。ポセイドーンの反乱はイーリアス内のみでしか言及されておらず、ホメーロスの創作とも言われている。
※Wikipedia引用

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