3 外国産の入荷量と主な産地(輸入国)
(1)輸入野菜
残っている資料の中で、一番古いものである昭和45年当時の外国産野菜の取扱量は945t、主な品目は、タマネギ、冷凍野菜、加工野菜であり、全体の入荷量に占める比率は0.5%とわずかであった。
しかし、平成22年度になると、入荷品目も数多く(10数種から50種前後に増加)、総取扱量も約6倍強の5,910tと大幅に増加し、入荷量(217,810t)に占める外国産比率は3%に増加している。主な品目は、西洋カボチャ、白ネギ、西洋ニンジン、タマネギ、ブロッコリー等である。なお、外国産比率の大きいものとしては、マツタケ(97%)、冷凍野菜(90%)、芋スルメ(79%)ニンニク(51%)、西洋カボチャ(51%)などがある。
主な輸入国は、昭和45年は台湾が1位であったが、平成22年には台湾からの入荷量は大きく後退し、かわって中国がトップとなっている。
そのほか、米国・ニュージーランド、メキシコ、トンガ、韓国、タイ、台湾、フィリピンなどである。(最近では、残留農薬問題で中国からの輸入品は大幅に減少)
(2)輸入果物
昭和45年当時の外国産の果物入荷量は17,762tで、野菜の入荷量の約20倍と遥かに多くなっている。主な品目はバナナが15,417tでその87%を占めており、レモンの1,463tとあわせて、2種類で入荷量の約9割を占めていた。他にはパインアップル、ネーブル、干カキなどがあった。入荷量に占める外国産比率は約15%である。
平成22年の入荷量(15,173t)は、昭和45年対比85%とやや減少しているが、品目数は2.5倍以上に増えている。入荷の多いものはバナナであるが、当時の5割減となっている。入荷量(51,848t)に占める外国産比率は約30%と、ウエイトは大きくなってきている。
主な輸入国は台湾とエクアドルだったが、平成22年にはフィリピンからの入荷が大幅に増加し1位に、続いて米国、南アフリカ、ニュージーランド、チリ、メキシコ、中国などであり、今は数多くの国から入荷し種類も豊富になっている。
(3) 輸入水産物
水産物の原産国表示が義務付けられたのは、平成19年度からである。この年の京都市場の水産物における外国産比率は、鮮魚で14%、塩干魚は28%、冷凍魚86%、水産物全体では27%を占めていた。最近の平成22年度では、鮮魚(4,307t)18%、塩干魚(5,373t)30%、冷凍魚(5,985t)93%、全体(15,665t)では32%と、益々外国産比率が高まってきており、青果物全体の外国産比率7~8%と比較してはるかに多くなってきている。なお、冷凍魚についてはその9割超が輸入魚で占められていることになる。
外国からの入荷が多い主な品目は、鮮魚ではマグロ類、サケ、サワラなどである。鮮魚の主な輸入国は中国、韓国、ノルウェーである。冷凍魚では、冷凍エビ、冷凍サケ、冷凍タラであり、そのほとんどが輸入品で占められており、国産はほとんどないと言っていい状況である。冷凍魚の主な輸入国は、チリ、インド、中国などとなっている。
塩干魚では塩サケ、塩サバ、開干アジであり、主な輸入国は米、チリ、ロシアなどがある。
外国からの輸入量が多い魚種は、サケ、エビ、マグロ類、サバ、サワラ、開干アジなどとなっている。輸入量の多い国の上位は、米国、チリ、中国である。
表11 輸入量の多い国の主な輸入水産物(上位順)
米国
塩紅サケ・塩カズノコ・スケソウコ・身欠ニシン・冷凍タラ
チリ
塩銀サケ・冷凍サケ、冷凍マス
中国
アマダイ・ウナギ・ハマグリ・ハモ・冷凍サワラ
ロシア
ズワイガニ・塩紅サケ・冷凍カレイ・冷凍タラ
ノルウェー
サケ、サーモン・塩サバ・冷凍サバ
韓国
サワラ・ハモ・ヒラメ・冷凍サワラ
インド
冷凍エビ・冷凍マナガツオ、クロマグロ
インドネシア
キハダマグロ・メバチ・チリメン・冷凍エビ
カナダ
サーモン・クロマグロ・冷凍カレイ・冷凍ズワイガニ
タイ
キハダマグロ・冷凍エビ・冷凍モンコウイカ
アイスランド
冷凍アカウオ・冷凍カレイ・丸干シシャモ
べトナム
冷凍エビ・冷凍ヤリイカ、キハダマグロ
オランダ
干カレイ・開干アジ、冷凍マイワシ
ニュージーランド
冷凍タイ・冷凍アジ、冷凍タラ
表6~11の資料:京都市市場年報、京都市中央卸売市場(第一、第二)統計データ
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