2006/02/19

寄せ鍋(鍋の美味しい季節ですpart3)

 最近はスーパーやコンビニでも、アルミの容器に入った「鍋セット」なるものを良く見かける。「寄せ鍋セット」と「ちゃんこ鍋セット」の中身は、殆ど同じようなものだ。そしてワタクシが得意とするのは、この寄せ鍋である。

嬉しい事に最近ではスーパーだけでなく、コンビ二にも寄せ鍋セットなどがズラズラと並んでおり、かつての若い同僚君などは「コンビ二の鍋は、総て制覇しましたよ」などと豪語していた。

それはともかくコンビ二のは、アルミの鍋の底にゼリー状のスープが入っているため、そのまま火に掛けるだけでOKという、まことにコンビ二の名に恥じぬ無精者にはピッタリの商品ではあるが、何と言ってもボリュームが少ない。火に掛けしばらくするとスープが溶けてくるので、適当な鍋に入れ替えた後に具を追加するのだが、なにせスープが少ないため多くの具材の追加はできないのが難点だ。

コンビニで時々買うのは「鶏鍋」と「つみれ鍋」だが、その他は「キムチ鍋」や「チゲ鍋」といったコリア風が多く(何故か、スーパーも同様)、コリア料理特有のあの無神経な辛味(日本よりは寒い国だろうから、仕方ないのではあるだろうが)が大の苦手なワタクシにとっては甚だ嬉しくない。対して、スーパーの鍋セットは大抵ちゃんとしたスープが入っているから、鍋に移し変えた後である程度までは具を増やせるが、やはりスープが少ないため結局鍋用のスープが別途必要になるのだ。

ワタクシのような普段は料理などはしないモノグサ人間には、スーパーで売っている四分の一カットの野菜ですら余ってしまうので、必要なだけをカットしてある鍋セットこそは重宝なのである。それでも先に書いたように、大抵はボリューム不足のために結局のところ、やはり食材は買っておかなければいけないのだが・・・

一番の豪華版は、自作の寄せ鍋だ。必須の食材は豚ロース、白菜、下仁田ネギ、糸こんにゃく(下仁田産など)、生椎茸、豆腐辺りは必須である。その時により鱈などの魚や牡蠣などを加え、スープはスーパーで買って来たものを使う。東京へ来て困ったのが、ワタクシにとって寄せ鍋には必須の「糸こんにゃく」が、どこのスーパーへ行っても見当たらないことだった。

「まさかまさか・・・糸こんにゃくがないなんて、そんな事があってよいものか・・・」

と何軒かのスーパーを廻り、目を皿のようにして探したものの、やはり目に付くのは何故か「シラタキ」ばかりなのである。

何人かに

東京ってのは、糸こんにゃくもないのか?

と聞くと

糸こんにゃくとシラタキって、おんなじじゃねーの?

と言われた。

「いや、違うだろう」

「どー違うの?」

「どーって言われても・・・とにかく、糸こんにゃくの方が旨いのだ・・・」

訊かれてみれば、確かに言葉に窮する。そこで

(糸こんにゃくと、あんな味気のないシラタキなんぞが同じわけはない)

との思いから辞書で調べてみると、なんと

『シラタキ・・・糸こんにゃく』(大辞泉)と出ているではないか (゜◇゜)~ ガーン

また、あるブログで

<成分や形状で明確に分けるわけではありませんが、普通のこんにゃくの色に近い糸こんにゃくに対し、おおむねシラタキは色が白く糸こんにゃくより細いようです。スキヤキに限らず一般的に関西は糸こんにゃく、関東はシラタキが多いですね。これは地方によって、どんな色のこんにゃくが好まれるかという事にも通じていて、関西は黒っぽいこんにゃく、関東は白っぽいこんにゃくが好まれます>

という記述を見つけた。言われてみれば愛知で生まれ育ったワタクシは、シラタキなどというシロモノを見た記憶がないように思う。そうとは知らず、なおもスーパーのハシゴをして糸こんにゃくを探してみたものの、やはりどこもシラタキばかりがデカイ顔(?)をして並んでいるのだ。

ところが・・・である。おでん用など普通の板のこんにゃくは、シラタキのように白くはなく一般的な黒っぽいこんにゃくなのだから、余計に腹立たしいではないか。

(普通のこんにゃくがないわけではないのだから、これを糸切りにすればいいものを・・・)

などと歯噛みしたところで、どうなるものでもない。「ツキこんにゃく」という、細かく散切りにしたようなヤツはよく見かけるのにだが、あんな掴みにくいものをどーやって喰えと言うのか?

寄せ鍋の話に戻れば、必須は生シイタケだ。近所のスーパーでは、傘の径が普通の三倍くらいはありそうな大きなのを100円くらいで売っており、これがまた涙が出るほどに旨い。噛み砕いた時に、ジンワリと口の中一杯に染み渡るあのエキスの旨みは、病み付きになってしまうのである。

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