前日に続き、日本選手に2日連続の「金メダリスト」が現れた。スピードスケート女子500メートルの小平奈緒。女子スケート競技では、日本人初の「金」という快挙だ。
採点競技の多い冬季五輪にあって、純粋に「速いものが勝つ」スピードスケートはわかりやすい。元来「たくさん飛ぶ」ことを競うハズのジャンプ競技が「飛型点」やら「テレマーク」といった、わけのわからない要素が絡んでつまらなくなった。原点に返り「より遠くへ飛ぶ力」を競うのであれば、単純に「飛んだ距離」のみで優劣を争うべきで、空中姿勢などはいかに不格好であろうが、着地で尻もちをつこうが良いではないか。あれらは、飛距離だけでは体重の軽さで有利だった日本選手を勝たせないための苦肉の策だったらしいが、分かり難い不透明なルールが競技をつまらなくしてしまった。
そこへ行くと「速いものが勝つ」スピードスケートは、実にシンプルで、他の競技のようなインチキの入る余地はない。また屋内だから、風や気象条件による不公平さもなく、まさに「強い者が勝つ」競技と言える。そんな中でW杯15連勝を含め、世界大会24連勝中の「絶対王者」小平の「金」は、まさに「勝つべくして勝った」極めて順当過ぎる結果というべきだが、そんな「絶対王者」のプレッシャーを跳ねのけての快挙は素晴らしい。
小平と言えば「相澤病院」を忘れてはならない。大学卒業後、どこの企業にも相手にされず、就職先が決まらなかった小平に手を差し伸べたのが、この病院の院長である。オリンピックのメダル候補なら、下心を持った企業が殺到するところだろうが、当時無名でたいして期待されていなかった(?)選手に、結果が出なくとも海外遠征費まで面倒見たのは今時珍しい美談と言える。この「成功例」に倣い、今後同様に不遇に喘いでいる若者に支援の手が差し伸べられれば、埋もれた逸材が現れるかもしれない。
日本の「金」は前日の羽生に続いて2つ目となり、長野(金5個)を除く過去15大会では最多となった。また総メダル数「10個」は、長野大会と並ぶ最多タイとなり、残り日程から見て過去最高を記録するのは確実となった。
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