2018/02/24

「世界」の壁(2018平昌オリンピックpart7)


大会15日目は、フィギュアスケート 女子シングルFSが行われ、宮原知子が4位、坂本花織が6位。日本女子のエース宮原は、SPに続いてFSでもほぼ完ぺきな演技を見せた。まったく文句のつけようもないくらいに、素晴らしい出来栄えだったのだ!

が、それ以上に、メダリスト3人の演技が凄すぎた。特に金、銀の選手は「異次元」だった。サギトワの人間離れした圧倒的な技術力、メドベージェワのあの完璧なプロポーションと、その長所を存分に生かした表現力。しかもサギトワは15歳、メドベージェワ18と若い。銅のオズモンドも含めて、上位3選手のジャンプの高さとダイナミックスさが群を抜いているせいか、これに比べては、どうしても宮原の演技が「こじんまり」に見えてしまう感は否めなかった。

しかし宮原も、まだ19である。
Wikipediaによれば『両親が医師という家庭に育った。両親の都合により、幼少期から7歳(小学2年生)まで、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンで生活していた』とのことで、なかなかのインテリ家庭だ。それを証明するようにインタビューなどを見ていても、そこはかとない「お嬢さん臭」が漂う。

それはともかくとして、問題は今後である。

宮原は19歳、坂本が17歳と日本代表も若く、当然「」に期待が持てる。ところが、ロシアの方も先に触れたようにサギトワ15歳、メドベージェワ18と、さらに若いのである(浅田真央が同じ15歳でオリンピックに出ていれば間違いなく「」が獲れたはずなのに、なぜ彼女だけ「年齢制限」に引っかかって出られなかったのか?)。ということは、次のオリンピックでも当然、強力なライバルとして立ちはだかることが予想されるだけに、この「異次元過ぎるライバル」を、いかにして倒すか?

メドベージェワの、あの非の打ちどころのないスタイルの良さ、手足の長さを生かした美しさは生まれながらのもので、これは150cmがやっとの宮原がどう逆立ちをしようと勝ち目はない。また、金メダリストとなったザギトワは156㎝と小柄とはいえ、あれだけの高度な技術となると、到底太刀打ちできそうにない。さらに彼の国には、まだまだ隠れた逸材がゴロゴロしているらしい。

こうして見ると、宮原の方向性は彼女らとは全く異なるところにある、と見なければならない。フィギュアスケートの要素としては、大きく「技術性」と「芸術性」に分類されるのだろうが、質や量がシステマテックに採点される「技術性」よりは、やはり「芸術性」で勝負するほかはないと思われる。幸いにして、生粋の「京女」の宮原だから、ここは独自の繊細さを磨いて、日本や京都の伝統美で勝負してもらいたい。

もちろん、17歳の若さで宮原に肉薄するような演技を見せた坂本にも、大いに期待が持てるのである。

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