2018/04/06

戦いの神アレス(ギリシャ神話32)


ギリシア語:アレス(Ares)、ラテン語:マルス(Mars)、英語:マーズ(Mars)
 ゼウスとヘラの子供で、戦さの神。戦争に勝つための戦略や栄誉の神アテナに対して、アレスは戦場での狂乱や破壊を司るアプロディテの恋人。ローマ神話ではマルス、ローマを建国したロムルスの父。

●3
(March)の語源
 戦争の神をもっているのは、ギリシャでは「女神アテネ」と「神アレス」の二人がいる。この役割分担として、女神アテネは「守護神」で「勝利・栄光」を、神アレスは「殺戮」を司っている。古代ギリシャ人は、戦争に二つの局面を見て区別していたのだろう。つまり、戦争には「守護」に典型的に見られる「必然、正当で、その勝利が絶対要請される」類いの戦争と「侵略」に見られるただ「殺戮」としか言えない在り方をみせる戦争がある、とでも考えていたのだろう。実際、理不尽な戦争も数多い一方、正当防衛的な戦争もあった。そうなると、神アレスは女神アテネに比べ、分が悪くなるのも仕方ない。

神話でも、神アレスはいつも女神アテネにコテンパンにやられっぱなしだし、描かれ方もひどく知性もなく凛々しさもなく義もない「無頼漢」扱いである。そうはいっても戦争では「凶暴で強い」ことも必要だから、12神に入っているのだろう。神話ではそういう扱いであるが信仰となると話は別で、戦争を国是として強力な軍隊を形成していたポリスではアレスも大事にされていて、そうした都市としてスパルタやテバイなどが挙げられる。
※出典 http://www.ozawa-katsuhiko.com/index.html

アレースもしくはアーレース(ΑΡΗΣ、Arēsρης, Ārēs)は、ギリシア神話に登場する神で、戦を司る。ゼウスとヘーラーの子とされる。オリュンポス十二神の一柱。アイオリス方言ではアレウスもしくはアーレウス(ρευςAreus)とも。日本語では長母音を省略してアレスとも呼ばれる。聖獣はオオカミ、イノシシで聖鳥は啄木鳥、雄鶏。聖樹はトネリコ。

本来は戦闘時の狂乱を神格化したもので、恩恵をもたらす神というより荒ぶる神として畏怖された。「城壁の破壊者」の二つ名がある。戦争における栄誉や計略を表すアテーナーに対して、戦場での狂乱と破壊の側面を表す。その性格も粗野で残忍、かつ不誠実であった。


戦いの神でありながら、人間であるディオメーデースに敗北したり(アテーナーがディオメーデースの支援をしていたが)、英雄ヘーラクレースには半殺しの目に遭わされている。また、巨人の兄弟アローアダイ(オートスとエピアルテース)により青銅の壺の中に13か月間幽閉されるなど、神話ではいいエピソードがない。これはアレースの好戦的な神格がギリシア人にとって不評だったこと、主にギリシアにとって蛮地であるトラーキアで崇拝されていたことによる。基本的に神々の中では嫌われているが、愛人のアプロディーテーや従者と子供達、そして彼が引き起こした戦争が冥界の住人を増やすことから、冥界の王・ハーデースとは交際がある。

戦場では普段は徒歩だが、場合によっては黄金の額帯を付けた足の速い4頭の神馬に戦車を引かせ、青銅の鎧を着込んで両手に巨大な槍を持ち、戦場を駆け巡った。男神の中では12を争う程の美貌を持っている。身長も高く、人間の前には大抵人間サイズの大きさで現れるが、真の姿だと、その身長は200メートルを優に超える。体重は不明である。

ポセイドーンの息子の1人・ハリロティオースがアレースの娘アルキッペーを犯し、激怒したアレースはハリロティオースを撲殺した。ポセイドーンは激怒し、アレースを神々の裁判にかけることを主張し、それを認められた。こうしてアレースの丘で、世界初の裁判が開かれることになった。アレースは情状酌量の余地があるとして無罪となり、これ以降、重大事件の裁判がアレースの丘で行われるようになった。

係累
ヘーパイストスの妻であるアプロディーテーを恋人とし、ポボス(フォボス、敗走)とデイモス(恐慌)の兄弟、娘ハルモニアー(調和)の父となった。エロースをアレースとアプロディーテーの子に加える説もあるが、これは元々関係のなかったアプロディーテーとエロースを関連付けるために作られたものである。他にも、アマゾーンを始めとする多くの蛮族の父である。また、エリスやエニューオーも彼の従者であり、一般的には妹とされているが、姉や妻とされることも多く、また特にエニューオーは母や娘とされていることもある。

命名
ローマ神話のマールスに相当し、また火星と同一視される。このため火星と同様に赤く輝く天体であるさそり座のα星はアンタレス(アンチ・アレス、アレスに対抗する者の意)と呼ばれている。火星の衛星フォボスとダイモスは、アレースの子の名から採られている。
※出典 Wikipedia

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