名古屋名物といわれる「ひつまぶし」だが、愛知から東京に移住したワタクシが今は東京でも当たり前のように耳にしているところからすると、既に全国区の知名度になっているのかもしれない。まだ地元の愛知に在住していた3年以上前に「ひつまぶし」について採り上げた。その頃は「名古屋名物」であろうという認識だったが、今回はやや認識を改めての新版である。
<「ひつまぶし」(または「櫃塗し」とも言う)とは、主に名古屋地方で食べられている有名な鰻料理である。蒲焼にしたウナギの身を細かく刻んで御飯に乗せたもので、小ぶりなお櫃(ひつ)に入れて供されるため、この名で呼ばれる>
そもそも「鰻」と聞くと、真っ先に浜名湖を思い浮かべる方が多いのではないか(かくいうワタクシも、ずっとそう思い込んでいた)。ところが、実は養殖鰻の日本最大の産地は静岡県ではなく愛知県なのである。静岡県は、順位で言うと4位でしかないらしい。その愛知県の中でも、三河地方の一色町(ユニークな大提灯祭りでも有名)と言う小さな町が、生産高日本一を誇っているのだ。
<鰻の養殖に最適なのは気候が温暖で安定した平地で、川または湖の海に流れ込む間際で淡水が程良く海水に混じり合う周囲である事。浜名湖もその条件に適する上に、景勝地でもあるがゆえに非常に有名なのである>
<日本のウナギ生産の4分の1を占める一色町などを抱える愛知県は、静岡県(浜名湖)を抑えウナギ生産高第1位を誇る。そのウナギを名古屋では関西風の蒲焼と同様、蒸さずにそのまま焼き上げる。そのため程よく焦げた皮は香ばしく、脂の乗った中の身だけが、ふんわりと柔らかくなるのである。「ひつまむし」の名称もあり、地元では両方の呼び名が通用する。なお「まむし」は、関西を中心とした方言で鰻飯をいう>
この「ひつまぶし」という食べ方を考案したと言われ、登録商標を持つ「あつた蓬莱軒」の指導による「ひつまぶしの正しい食べ方」を見ていく事にする。
マスコミ記者時代に、タダで試食に与ったワタクシの「ひつまぶし体験」は、2004年版に記載している。
<これは店頭でも各テーブルに説明書きがあり、必ず守らなければならない。
いわば「テーブルマナー」のようなものだw
ひつまぶしを注文すると、一人用の小さなお櫃にご飯とその上に短冊状に切られた、焼きたての香ばしいウナギが乗せられている。見ると小さな杓文字が置かれているので、お櫃のなかのご飯を十字に切って4等分し、4等分したものをその都度、茶碗に盛る。1杯目は、そのまま食べる。まずはオーソドックスに、焼きたてのウナギの香ばしさを楽しむのが目的であり、普通のうな丼としていただくわけである。
そして2杯目は、ネギなどの薬味を乗せていただく。ネギが入る事で、さっぱりとした味わいに変化する。この変化の仕方は、実に劇的である。
3杯目が、かつて揶揄される事のあったお茶漬けである。
「なんでウナギを、わざわざお茶漬けなんかにするの?」という事らしい。「あつた蓬莱軒」では濃いだし汁が出されるが、本当にお茶漬けにするお店もある。ウナギのたれとだしの絡み方が、絶妙である。
最後の4杯目は、以上3つのなかでお好みの食べ方をアンコールでどうぞ、というわけである。掟の多い「ひつまぶし」であるが、そこだけは唯一自由が許されている>
ところで「ひつまぶし」の語源は、当然ながら「櫃」に「(細かく刻んだウナギが)塗された」という意味である。
<「ヒマツブシ」と誤読された方もいらっしゃるでしょうが、ひつまぶしとは、うなぎの蒲焼を細かく切って、お櫃(ひつ)に入れたご飯にまぶした料理の事です。明治時代に「あつた蓬莱軒」(名古屋市熱田区)が始めたという説と「いば昇」(名古屋市中区)が始めたという説とがある>
ひつまぶしが、御櫃に入っている由来に触れていく。
<当初、他の鰻専門店と同じように1人前づつ瀬戸物の御椀に盛られていたが、配達した後に回収した店の若い衆が御椀を割る事が頻繁にあったため、多少乱暴に扱っても割れず、かつ複数人分をいっぺんに用意できる容器にするためであったとされている。また鰻が刻まれているのは、御櫃から取り分ける際に鰻の量を均等に分けて盛り付けるようにする事が目的であったとも、また戦後の食糧難の時期に鰻の有効活用を図ったためであったとも言われる>出典Wikipedia
という事である。
<名古屋の西側に位置する、木曽川で手に入りやすいのが天然のうなぎ。昭和23年ごろ、ひつまぶしは日本料理店で出されていました。現在は、注文すると当たり前のように1人前で出されてきますが、当時は会席の最後に大きなお櫃の中に、ご飯とうなぎの蒲焼きを入れ混ぜ合わせて、1杯ずつ茶碗によそっていました。
しかしお客さまのお酒が進み、最後のうなぎを食べきれずに帰ってしまう事もよくあったそうです。お店側も
「せっかく良いうなぎを出しているので、せめて食べていただけるように」
と試行錯誤して考案したのが、うなぎのお茶漬けでした。
食べやすいようにうなぎを細く刻み、うなぎ独特の臭いを消すためにだしを入れました。さらさらっと食べられる事もあって、お酒の後にはピッタリです。
その後、薬味についても色々と試して、今ではネギ・ワサビ・海苔などが出されるようになりました。1度で3種類の食べ方ができて「ちょっと得した気分」になれる、計算高い名古屋ならではの食べ方です>
ちなみに、ネットなどで「ひつまぶし」と検索すると必ずといっていいくらいに出て来る「ひまつぶし」を掛けたダジャレは、既にワタクシがオリジナルで2004年版のタイトルに使用しておりました ( ´艸`)ムププ
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