2007/07/24

対応(プロバイダX)part3

 「ちょこちょこと出掛けるから、30分くらい前に電話してから来て欲しい」  と伝えていた事もあり、電話が掛かってきたのだったが、その日は年休を取ったため朝に済ませておいた洗濯物を取り込んで

(ボチボチ来る頃か・・・?)

とベランダから外を見下ろしたところ、ちょうどそのタイミングで作業服を着た男が、エントランスに向かっているところに、出くわしたのだ。

ところが、その姿を確認してから20分ほど経っても一向にインターホンが鳴らず

(さては・・・管理室辺りで、宅内機器の交換でもしているのか?)

と見当を付け、ひょっとして直っているかもとDOS窓で「nslookup」を叩くと、まだ繋がっていない。それから数分置きに「nslookup」を叩くと、何度目かで繋がった。と思った瞬間にインターホンが鳴ったが、書類か何かで顔を隠しているのかカメラの画面が真っ白だった・・・

「お世話になります、Xの者ですが・・・修理に参りました・・・」

(チッ、わざとらしいヤツめ・・・)

リモートでドアを開くと、部屋の前までやって来た30くらいの技術者が、汗をびっしょり掻いて立っていた。

「今、繋がったけど・・・さっきから、下で直してた?」

「え?

繋がってますか?」

「わざとらしいじゃないか、まったく・・・20分くらい前に偶然、下から入ってくるところを見たんだよ。今まで下でゴチャゴチャと、機器の交換とかやってたんだろ?」

「いえ、機器の交換はしてませんよ・・・リブートをかけただけです」

「なに?

リブートしただけで、直ったって?

そんな事で直るんなら、なんで昨日すぐにもやりに来なかったのか?」

「いや、実は昨日も来たんですよ。昨日もリブートをして瞬間的には直ったんですが、直ぐにまた繋がらなくなっちゃいましてね・・・」

「てことは、今の接続もまた直ぐにダメになるんじゃないの?
昨日の地震の影響じゃないのかな・・・」

前日には、首都圏を中心に震度4の地震があったのだ。

「地震は関係ないと思いますが、不安定な状況である事は確かなので・・・」

「関係ないとは言い切れないでしょ?」

「まあいずれにしろ、機器の交換はしないといけないのですが・・・」

「根本的な解決には、なってないよな・・・で、機器の交換は、いつやるの?」

「それは、今調整しているところですが・・・これが明日、明後日直ぐというわけには、いかないようなのです・・・」

「だから・・・いつごろになるか、と訊いている」

「まあ、一週間から10日くらいは、見ていただいた方が良いかも・・・」

「なにをバカな事を。それじゃ遅すぎるわ・・・ちょっと待った・・・」

と一旦接続を確認すると、もう切れてしまっているではないか。

「なんだ・・・もう接続が切れてるよ・・・ダメだ、こりゃ」

「もうダメですか・・・」

「最初から宅内機器が原因とわかっているのなら、どうして代わりの物を持って来て、さっさと交換しなかったのか不思議なんだが・・・その宅内機器というのは、BBルータなのかスイッチなのか、またはハブなのか・・・?」

「宅内の構成は大元にルータがあり、その下に幾つかのハブがぶら下っていまして、今回壊れたのはハブです」

「いわゆる、バカハブなんだろう?
あんなもの安いものだし、そこら辺の店で売ってるから、今から買って来て取り替えればいいだけじゃん。なんならワタクシが金を払ってもいいから、ウチのポートだけそれに繋いでくれないか。自分でやってもいいが、多分管理室に入るのは問題あるだろーから・・・」

「それが色々と問題がありまして、なかなか簡単にはいかないのでして・・・」

「問題って、どんな?」

「実は、こちらの宅内機器は当社のものではなく、管理会社様の固定資産となりますので、こちらで勝手に触る事は出来ないのです」

「嘘を吐くな。管理会社に電話したけど、総てXにアウトソーシングしてるから、こちらでは何もわからんと言っていたよ。ちゃんと訊いてるんだから、いい加減な事を言うなって」

「いえ、確かに管理は総て任されてはおりますが、こちらの機器に関しては管理会社様の所有物なので、交換するにも触るにも管理会社様の許可をいただかないといけないのです・・・勿論、今交渉をしているところですが・・・」

「オイオイ、冗談じゃないぞ、まったく。電話でも散々繰り返したが、そんな悠長な事を言っている場合ではないんだよ」

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