横綱・朝青龍の「仮病疑惑」が話題になっている。
<「腰の疲労骨折とひざ痛で全治6週間」の診断書を提出した7月25日、母国モンゴルでサッカーに興じている姿が、ニュースで報じられた。身勝手な行動に、夏巡業開催地でも怒りの声が噴出>
というものだ。
朝青龍の暴走は、過去にも数え切れないくらいあった。ワタクシは2004年に、『朝青龍は「第二の北尾(双羽黒)」になる!』という記事を書いたが、その中のポイントを以下に再録する。
「2003年の暮れに、横綱朝青龍が所属部屋の先代親方の通夜をすっぽかし、故郷のモンゴルに無断で帰国していたという、前代未聞の「事件」が明らかになりました。朝青龍は、これまでにもケンカ紛いの相撲内容そのものや土俵態度の悪さ、或いは先輩力士に対する礼儀を欠いた振る舞いから同郷の先輩との確執など、繰り返し何度にも渡りその言動が問題視されてきたのは、好角家の方々なら既にご存じの通りです。
さて(中略)年明け早々に、まずは「稽古始め」、続いて年頭の大事な行事である「綱打ち」を欠席するという、背信行為が続きます。「稽古始め」は、いうまでもなく一般人なら「仕事始め」に当たるものですし、また「綱打ち」というのは文字通り横綱の締める綱を若い衆が力を合わせて作る(打つ)もので、朝早くから起きて皆が汗水垂らして一生懸命に拵えている綱は言うまでもなく横綱、つまりは一人しかいないからには、総て朝青龍のためのものです。
なによりも、伝統を大切にするのが国技たる大相撲というものであり、その中にあって一年の最初を飾る行事として位置付けられている事からも、その重要性や神聖さは素人目にも一目瞭然でしょう。その証拠に過去には初場所は休場する事になった横綱でも、この綱打ちには万難を排して駆けつけた例(最近では貴乃花)もあったくらいで、打ち終わった純白の綱を締めて仁王立ちしてみせなければならないハズの当の主役がトンずらしていたのでは、これほど皆の努力を足蹴にした振る舞いはありません。
しかも「その間、どこでなにをしていたのか?」と問われた親方も
「なにも訊いてない・・・
今までも、一度でも報告した事がないヤツだから・・・」
とは良く言えたもので、まさにこの親方にしてこの弟子あり、と最早空いた口も塞がらぬとはこの事でしょう」
ちなみに今回の件でも、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)は
<「モンゴルに帰っているとは思わなかった。そんな状況で、巡業に出られないのはおかしい」
と首をかしげた>
などと他人事のような暢気な事を言っていたらしく、どうやら事態の深刻さが未だに理解できていないようなのには呆れた。
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「その後の聴取の結果、またしても無断でのモンゴル帰国が判明するに及び、ここに至って遂に業を煮やした横審委員のナベツネ氏から
『今後、このような横綱としての自覚を著しく欠いた非常識な行動が続くようなら、引退勧告もありうる』
と、遂に最後通牒ともとれる発言が出された・・・」
いう経過があった。
ところがご存知の通り、この後も朝青龍の暴走は止まるところを知らず
「勝ちゃあいいんだろ」とばかりに暴言、放言を繰り返すばかりか、負けた時の八つ当たりといった子供じみた言動のうちはまだしもかわいかったが、遂には八百長疑惑まで噴出し、裁判沙汰に発展して世間を騒がせるという醜態である。
八百長疑惑については、まだ裁判をしている最中であるにもかかわらず、先に行われた名古屋場所で優勝のかかった白鵬との結びの一番でも、明らかに「八百長」としか考えられないような、胡散臭い相撲を取っている(稀勢ノ里に敗れて、優勝を逃した琴光喜が花道で涙を流していたのは、単に優勝を逃した悔しさというだけでなく、あのような八百長で優勝を掻っ攫われた悔しさであったろうと、ワタクシは密かに推測している)
上記からお分かりの通り、ワタクシが3年以上も前に予言した
『朝青龍は、第二の北尾(双羽黒)になる!』
は決して予見が外れたのではなく、本来ならとっくの昔に追放になっていてしかるべきところが、横綱が一人もいなくなる事に怯えた協会のバカゲタ弱腰のために、運良く命拾いをして来たというに過ぎないのだ。
いつも事が起こった時だけは「断固たる措置を取る」と息巻いているのに、結局は殆ど実効性のないペナルティでお茶を濁してきたのが相撲協会であるが、度重なる不祥事には関係各所に抗議の電話等が殺到しているとも言われるだけに、これ以上ファンを愚弄する事は許されない。
「朝青龍の各界追放」を切実に望んでいる声は、多いはずなのである。それは「朝青龍がモンゴル人(或いは外国人)の横綱だから」では、断じてない。過去にも曙や武蔵丸といったハワイの横綱や、新たに誕生したモンゴルの白鵬ら外国人で頂点を極めた力士はいたが、決してそのような差別はなかったし、今もまったくない。逆に日本人であっても、横綱の地位を極めながら素行に数々の問題があったため、事実上の廃業に追い込まれた双羽黒(北尾)の例もある。あるのは、ただ「横綱に相応しい品格と人格」を備えていないという事実のみであり、日本に来て10年も経つ人間が「日本の風習を理解していなかった」では、絶対に許されないのである。
などと書いた後に「2場所連続出場停止と減俸30%(4カ月)」という、なんとも中途半端な裁定が下された。この4ヶ月間は「執行猶予」期間でもあり、期間中に何か問題を起こすような事でもあれば、今度こそは「永久追放」の厳罰で臨んでもらわなければ困る。
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