チェンバロ版
ピアノ版
『イタリア協奏曲』BWV 971は、チェンバロのための3楽章の協奏曲である。原題は「イタリア趣味によるコンチェルト(独語:Concerto nach Italienischem Gusto)」という。
『フランス風序曲』BWV 831とともに、クラヴィーア練習曲集第2巻として出版された。この曲集では、18世紀のイタリアとフランスの代表的な器楽ジャンルが対比付けられているだけでなく、へ調とロ調(最遠隔調同士)、長調と短調というコントラストも絶妙である。しかも、管弦楽曲を鍵盤楽曲で再現するという野心的な試みは、後のアルカンの練習曲に先行する発想であった。
そもそも協奏曲とは、アンサンブルの中における異なった楽器グループの役割の対比に基づくものであるのだが、バッハは同様の効果をあげるために、チェンバロのいくつかの手鍵盤を「フォルテ(強奏)」と「ピアノ(弱奏)」で使い分けている。したがって、バッハは1段鍵盤のチェンバロを意図してこの作品を作曲したのでなく、2段か3段のチェンバロのために作曲したことが理解される。よって、ピアノでバッハの意図を再現するには、演奏者に創意工夫が求められる事になる。
今日では、ピアノ版を聴く事が多い曲だけに、チェンバロ版を聴いた事のある人は、あまりいないのではないか?
イタリア協奏曲は、今日たいへん親しまれているバッハの鍵盤作品である。 チェンバロとピアノの両方において広く演奏され、録音されている。存命中は、作曲家としてはあまり評価が高くなく、むしろオルガ二ストやオルガンの鑑定士としての名の方が高かったバッハだったが、この曲は珍しく存命時から非常に人気があった。
バッハの音楽を「誇張や過度の技法」、「自然に反し、くどくどしく理解し難い」
と批判したヨハン・アドルフ・シャイベでさえも、この曲に対しては
「単一の楽器で演奏する協奏曲の最大、最高の曲である」
と、賛辞を送ったほどであった。
バッハの解釈において、最も有名なピアニストであるグレン・グールドが、この作品を嫌っていたことはよく知られているが、彼によるイタリア協奏曲の録音は、今日でも名盤だとされている。
出典Wikipedia
「バッハは、重いイメージが・・・」などと敬遠しがちな方も、このモーツァルトばりに軽快な曲を聴けば、かなりイメージが変わるはずである。
0 件のコメント:
コメントを投稿