2005/02/12

最後のクラス委員長選

3年生になると、2年生時のクラス分けが更に細かく分かれる。

 

文系、理系のクラス分けはそのままだが、それぞれ「A系統」と「B系統」に分離された。

 

「A系統」は国公立大受験を目指すクラス、「B系統」は私大狙いのクラスだ。 文・理系ともに「B系統」が1クラスで、それ以外は「A系統」に分かれた。残る1クラスは芸術系と体育系中心である。

 

この年は、学生生活最後のクラス分けにもなったわけだ。まず文系で、にゃべ属するA組には千春、小夜子がいた。お隣のB組はお嬢、ゴトー&ドージマのサッカーコンビ、真紀、もろこ、奈津子、そして陸上部エース・みどりらと個性派が集まる。

 

C組はカトーを筆頭に、フクザワ&理沙の演劇コンビ、さらにムラカミ、梓、香里、美佳といった中学の同窓組がそろった。

 

対する理系クラスの方はE組にマザー、淳子、シゲオら、F組は御曹司タカミネ、コンドー、前年の文系から鞍替えした茜、ヒムロなど。さらにH組はカオリとミサコの体操部エースにお調子者のマチャなど。

 

続いて、これまた最後となる委員長選挙。にゃべ属するA組の委員長選挙は、ヨシカワ、シガという成績優秀なのがいたが、地味な2人に人気では大きく勝っていたにゃべ。対する女子は、秀才だが変人のサトジュンと、エギソティックな美少女・千佳による一騎打ちと予想した。

 

投票前、席が前後した小夜子から

 

「ねえねえ・・・にゃべの名前、書いてもいい?」

 

と、あのやや舌足らずな甘ったるい声で囁かれた。

 

「ダメだ・・・他のヤツにしろ」

 

「だって・・・知らない子ばっかだもん」

 

「ヨシカワとかシガとか、有名なのがいるだろー」

 

「どっちも、良く知らんわ。タカ(千春)も言ってたけど、小学校の時から委員長選と訊くと、つい反射的にアンタの名前を書いちゃうんだわー」

 

と、小夜子は舌を出した。

 

前年も同じクラスとなり、この時は地味なシガを圧倒してにゃべが前期委員長に選出されたが、この年もシガに票は集まらず、もう一人の有力候補ヨシカワもシガに輪をかけたような地味なタイプのせいか、まったく票が伸びなかった。

 

ともに、これといって目立つ要素がない2人に比べ、タカミネ、フクザワととともに『三大オトコマエ』に数えられる色男であり、またヒョウキンなオフザケものとして不動の人気者のにゃべに大量の票が集まり、1回目の投票で過半数を超えアッサリと選出された。

 

対する女子の方は、成績では群を抜くものの、お世辞にも美形とは言い難く、また女子では学年一の変人でもあるドモリのサトジュンはやはり票が伸びず。

 

(茜、淳子に続く美少女ではなかろーか?)

 

と密かに注目していた千佳が、男子生徒の票をガッポリと稼いだか(?)、文句なしに過半数を超えて選出された。

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