2005/02/16

癒し系(高校生図鑑part19)

小夜子と初めて出逢ったのは、小学校3年生の時だから、この時点ですでに10年も前になる。勿論、小学校3年生といったらまだ10歳にも満たぬ子供だから、小夜子も他の学生同様に子供子供していたはずだが、それでもさすがにその可愛らしさは直ぐ眼に留った。

 

その年は香とも同じクラスで、最初に眼をつけたのは香の方だったが、やや遅れて小夜子の可愛らしさにも、すっかり目を奪われた。その後、5年生の時にも同じクラスになったが、この時は早熟の由梨亜の「お色気」にすっかり参っていただけに、小夜子の印象は薄かった。

 

3度目は中学3年生の時で、この時の記憶は鮮明だ。セーラー服姿の小夜子は、当然の事ながら4年間見ぬ間にグっと女らしさが増しており、香や千春に比しても「『B中』一の美少女」と言っても過言のないくらい綺麗になっていた。この年は幸運にも、共に級長を務める幸運にも恵まれてすっかり親しげに口を利く関係となり、中学卒業の時には千春や香以上に最もお気に入りの女学生となっていたのは、ご存じの通りである。

 

そしてまた、卒業後も同じ『A高』に通う事がわかっていたから

 

(なんとしても、モノにせねば!)

 

と密かに狙っていたほど、入れ込んでいた。

 

ところがいざ『A高』に入ってみると、さすがは学区人口50万の端から端に至るまでのあちこちから学生が集うだけの事はあって、これまでの小(学区人口約15000人)、中学校区(学区人口約3万人)とは比較にならぬほどに個性的な顔ぶれが並び、小夜子や香、或いは千春クラスの美少女がゴロゴロいたのには驚いてしまった。

 

というよりは、茜や淳子と言った美少女を見るに及び、小夜子や香らは要するにA市という中の「ローカル美少女」に過ぎなかったのだという事実を突きつけられたのが真相と言えた。

 

とはいえ小夜子や香、または千春が学区人口50万人の『A高』レベルで見ても、飛びぬけてではないにせよ充分「美少女」の名に値する存在である事には間違いはない。公平に見て都会的な淳子、茜の2人は別格としても、これに続く千佳、カオリらに次ぐ三番手レベルには充分に網羅される事は確かである。

 

これらの美少女の蔭に隠れ、中3時代のように人気が爆発するような事はなかった小夜子だが、それでもクラスでは千佳や千春らとともに、男子生徒からの人気を集めていた。進学校のせいか、比較的女学生も男勝りの気の強いタイプが多い中、優しい顔立ちそのままに気立ての優しい小夜子は、いわゆる「癒し系」としての貴重な存在感を放っていた。

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