2006/03/06

ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ第5番『春』(第2楽章)

 


ベートーヴェン自身のヴァイオリン演奏は技術的に稚拙で、自作のヴァイオリン部を公開で弾く機会は殆どなかった。ヴァイオリンのイディオムにも、ピアノのそれに対するほど通じてはいなかったので、ソナタの旋律リズムはピアノのものが中心になっている。

 

本作も、第1楽章第1主題は同時代別作家のピアノ練習曲のものと類似しており、合奏の妙を得るには両奏者いずれも作品の経緯を理解する必要がある。

 

『ベートーヴェンの曲はこれしかないという音が後に続くから完璧なのだ』(レナード・バーンスタイン)

 

ベートーヴェンは「より美しいものにするためならば、破りえない規則はない」と、常に新しい表現方法の開拓に挑戦し続けた。

 

ベートーヴェンと言えば、芸術家によくありがちな奇人変人のサンプルのような人だったらしい。

 

音楽の教科書などに書かれる『月光ソナタ』のエピソード『夜道を歩いていたベートーヴェンが、月の光の射しこむ部屋でピアノを弾いている目の不自由な少女に心を打たれこの曲を作曲し、当時心を寄せていた伯爵令嬢・ジュリエッタ・グイッチャルディに捧げた』といった人格者的なエピソードは後世の創作と言われ、実際にはかなり破天荒な性格だったらしい。

 

身長は167cm前後と西洋人にしては小柄ながら、筋肉質のがっしりとした体格をしていた。肌は浅黒く、天然痘の痕で酷く荒れており、決してハンサムとはいえなかったが、表情豊かで生き生きした眼差しが人々に強い印象を与えた。

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