第6曲 リベラ・メ(Libera me)
この曲と第7曲「イン・パラディスム」は本来のミサに入っておらず、ミサ終了後の祈りの歌が採られている。「我を救いたまえ」という意味のラテン語。
第7曲 イン・パラディスム(In
paradisum)
イン・パラディスムは「楽園に」の意味。本来の死者ミサの一部ではなく、棺を埋葬する時に用いられる祈祷文に作曲したものである。オルガンの浮遊感をたたえた音型に乗って、ソプラノが歌う。
レクイエムは1887年から作曲が始められ、1888年1月16日、マドレーヌ寺院において建築家ルスファシェの葬儀に際して、フォーレ自身の指揮によって初演された。この時は「入祭唱とキリエ」、「サンクトゥス」、「ピエ・イェス」、「アニュス・デイ」、「イン・パラディスム」の5曲構成であり、声楽はソプラノ独唱と合唱、オーケストラはヴィオラ、チェロ、コントラバス、独奏ヴァイオリン(「サンクトゥス」のみ)、ハープ、ティンパニ、オルガンという編成であった。この後もフォーレはこの曲に手を入れ、1888年5月ごろにはホルン、トランペット各2が追加された。
1892年1月28日、国民音楽協会の演奏会では「奉献唱」と「リベラ・メ」の2曲が付加されて7曲構成となり、編成もトロンボーン3、バリトン独唱が加わった。しかし、この時点では、まだ「奉献唱」はバリトン独唱による「ホスティアス」の部分のみであったようで「オ・ドミネ」を含めた現在の形でまとめられたのは、1893年もしくは1894年と考えられている。したがって「1893年版」とも呼ばれる。フォーレの「純粋な」構想を復元する試みは、近年になって行われるようになった。
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