<慶応年間に、その起源を持つ「水炊き」。別名「博多煮」とも呼ばれるほど、博多を本場として各地に広まった。
長崎に生まれた林田平三郎氏が1897(明治30)年、15歳で香港に渡り英国人の家庭に住み込みで料理の勉強をした。帰国後、そこで習得した西洋料理のコンソメと中国風鶏のスープをアレンジし、1905(明治38)年に完成させたのが今日の水炊きの起源と言われる。
平三郎氏は、博多の須崎に水炊きの店「水月」を開き大いに賑ったが、当時開催されていた世界博を見に来た人々に好評を博し全国に広まった。使用する鶏は宮崎産、鹿児島産の雄だけに限定され、運ばれる列車は「水炊き列車」と呼ばれるほどだったらしい。
博多では、水炊きは冬に限らず早生キャベツの出回る春や博多祇園山笠のある夏など一年を通して食す料理で、
東京の軍鶏鍋、京都のかしわ鍋、秋田のキリタンポと並ぶ「四大鶏鍋料理」のひとつに挙げられている。
水炊きは、最初に鶏の旨みが濃縮されたスープに薬味などを入れて飲み、そのあとぽん酢で食する>
成人するまでずっと「水炊き」は、地元・愛知発祥の料理であると思いこんでいたが、このように九州で生まれたと知って驚いた。
あるグルメ本によると、水炊きに付けて食べる「味ぽん」というポン酢を開発したのが、愛知の「ミツカン酢」という会社である。
<当時、大阪で人気のあった「水炊きにピッタリの商品」という触れ込みで、街頭デモを行ったところ非常に大きな反響があったため、気を良くして次には関東に進出を試みた。
そのころは、まだ水炊きを食べる習慣がなかった東京の街頭で、味ぽんのデモをしたところ期待以上の大きな反響となり、一躍「水炊きには、ミツカンの味ぽん」として全国的な認知度を獲得する事になった>
という記述があり、ワタクシの長年の勘違いの原因が氷解した。
水炊きの具材は、以前に紹介した寄せ鍋のものよりやや品数が減り、必須は鶏肉、白菜、生椎茸、豆腐といったところだ。鶏肉は、近所のスーパーで売っている上州赤鶏や南部地鶏などで、手に入る時は比内鶏を入れる。スープと一緒にグツグツと煮込む寄せ鍋に比べ、水炊きの方は味の染み込みが少ないように思えるが、それだけに鶏の品質には拘りたい。個人的には、多くの具が入った寄せ鍋よりも水炊きが好きなくらいだから、やはりミツカンの味ぽんが大好物なのだろう。
こうした料理で使う鍋は勿論、土鍋であるに越した事はないが、元来が猫舌の上に狭い部屋ではシーズンオフには邪魔になるのは目に見えているから、土鍋は使っていない。土鍋と言えば、以前に飛騨高山に旅行へ行き下呂温泉に泊まった際に食べた「朴葉鍋」の美味が忘れがたく、小型の「飛騨コンロ」と土鍋を土産に買って帰ったことがある。さらに、ホームセンターで6個入りの固形燃料を買いながらも、結局は2回しか使わなかった「実績」があるほど筋金入りの不精者なのだ。
同じように土鍋を買った事もあるが、何年ぶりかでシーズンオフに物置を片付けていたら、同じようなヤツが二つ三つと出て来たのには我ながら呆れたものだった。
<おでん(御田)は鰹節、昆布等で出汁を取り、醤油等で味付けしたツユに、コンニャク、大根、茹で卵など様々な具材を入れて煮込んだ料理である。具材の種類は地域や家庭によって異なり、非常に多岐に渡る。元来は日本だけで食されていたが、植民地時代に台湾や朝鮮半島などにも広まり、現地では今でも日本語の「おでん」の名称で親しまれている。
味噌田楽、田楽と言われているものが原型である。古く田楽と呼ばれた料理には、現在の味噌田楽および田楽である具を串刺しにして焼いた焼き田楽と、具を茹でた煮込み田楽があった。のち、煮込み田楽が女房言葉で田楽の「でん」に接頭語「お」を付けた「おでん」と呼ばれるようになり、単に田楽といえば焼き田楽を指すようになった>
関西では関東煮、または関東炊き(発音は、共にかんとだき)と呼ばれる(広東煮と言う説もある)
なお、昭和12年(1937年)発行の「軍隊調理法」(旧日本陸軍の調理教本)においては、おでんが「関東煮」と表記されており、別途「肉味噌おでん」として田楽風の料理が記載されている>
<通常のおでんとは異なった種類のおでんとして、コンニャクのみを具とする「こんにゃくおでん」がある。だし汁ではなく、湯で煮込んで熱くしたコンニャクに味噌ダレを付けて食べる淡白な食品で、古い時代の煮込み田楽の遺風を残している。
日本では麺類のつゆに代表されるように、一般的に関東では濃い味付け、関西では薄い味付けが好まれるとされているが、おでんに関しては別で関東が薄味で関西が濃い味の傾向がある>
<薬味は全国的に練り辛子が主流だが、ネギだれを用いる地域もある。静岡県では濃口醤油を使い、はんぺんは焼津産の黒はんぺん、すべての具に竹串を刺してあるのが特徴で、上に「だし粉」と呼ばれるイワシの削り節や鰹節、青海苔をまぶして食べる。香川県のうどん屋では、必ずと言っても良いほど副食として販売されており、客は注文したうどんが出来上がるまでの間などに、甘辛い味噌をつけて食べる>
出典Wikipedia
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