2006/03/26

ベートーヴェン 交響曲第1番(第2楽章)

 


歴史上、最も偉大な作曲家は誰か?

とは言っても「偉大の定義」によって違ってくるのではないか?

などといった細かい事を抜きにすれば、J.S.バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンという三巨匠(生年順)が常に別格扱いとなっていたのは明らかだ。

 

最も多くの人々に親しまれ、敬遠されにくいのはモーツァルトだろうが、こと「偉大」という点からみれば、これに続くであろうブラームスやワーグナー、ハイドン、ヘンデル、シューベルト、シューマン、チャイコフスキー、マーラーらを含めても

 

・音楽の父=J.S.バッハ

・楽聖=ベートーヴェン

 

といった普遍的な称号を与えられているのは、上記の二人だけである事からして、やはり両巨匠は特に別格ともいえる。今更言うまでもなく有名な「楽聖」という言葉は、この人にのみ与えられた輝かしい称号である。

 

《同じドイツ人で、最もベートーヴェンの影響を受けた音楽家はワーグナーとブラームスである。ワーグナーは、ベートーヴェンの交響曲第7番や交響曲第9番などの巨大な作品に触発された。その後、ワーグナーはロマン派の急先鋒として音響効果の増大に成功し、ベートーヴェンの用いた古典的な和声法を解体した。

 

一方のブラームスは、ロマン派の時代に生きながらもワーグナーの組に加わらず、あくまでもベートーヴェンと同じ音楽形式や和声法を用いて作曲をし、ロマン派の時代の中で古典派的な作風を保った。このような狭い意味では、ブラームスがベートーヴェンの「正統」な後継者といえる》

 

と言われ、どちらも「後継者」として大いに期待された。ワーグナー、ブラームスには、またベートーヴェンとは全然違ったそれぞれの良さがある。

 

《後世の音楽家への、ベートーヴェンの影響は甚だ大きい。彼以降の音楽家は、大なり小なり彼の影響を受けている。ベートーヴェン以前の音楽家は、宮廷や有力貴族に仕え、作品は公式・私的行事における機会音楽として作曲されたものが殆どであった。ベートーヴェンは、そうしたパトロンとの主従関係(および、そのための音楽)を拒否し、大衆に向けた作品を発表する音楽家の嚆矢となった。音楽家=芸術家であると公言した彼の態度表明、また一作一作が芸術作品として意味を持つ創作であったことは、音楽の歴史において重要な分岐点であり革命的とも言える出来事であった。

 

中でもワーグナーは、ベートーヴェンの『交響曲第9番』における「詩と音楽の融合」という理念に触発され、ロマン派音楽の急先鋒として、その理念をより押し進め「楽劇」を生み出した。また、その表現のため、豊かな管弦楽法により音響効果を増大させ、ベートーヴェンの用いた古典的な和声法を解体し、トリスタン和音に代表される革新的和声で調性を拡大した》

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